ユーロドルの見通しとチャートポイント
2月の消費者物価指数はユーロ圏の根強いインフレを示す内容となった。欧州の債券市場ではECBの持続的な利上げ政策の可能性が意識され、主要国の金利が上昇基調にある。対照的にユーロドルは再び下値をトライするムードにある。目先の焦点は?上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※米ドル相場(ドルインデックス)の見通しについてはこちらのレポートを参照
※ドル円の見通しについてはこちらのレポートを参照
ユーロドルの見通しとチャートポイント
下値トライを意識する状況が続く
ユーロドル(EURUSD)は、再び1.05台の攻防へシフトするムードにある。
ユーロ圏の2月消費者物価指数は前年比で8.5%と、前月の8.6%から低下したが市場予想の8.3%を上回った。同比のコア指数は5.6%と前月および市場予想の5.3%を上回った。
欧州の債券市場では、域内の根強いインフレ圧力とそれを抑制するために欧州中央銀行(ECB)が利上げ政策を長期化する(せざるを得ない)状況が意識され、主要国の金利が上昇基調を維持している。しかし、昨日は米金利の上昇幅が拡大したことで、アメリカとドイツの長期金利の格差が小幅ながらも拡大した。
今日以降の経済指標次第では、米金利の上昇幅がさらに拡大する可能性がある。この展開となれば、米独利回り格差も再び拡大傾向へ転じることが予想される。ユーロドルは引き続き下値をトライする状況を意識する局面が続くと予想する。
ユーロドルの地合いの弱さは、テクニカルの攻防でも確認できる。昨日は、21日MA(1.0666レベル)がレジスタンスラインとなりレンジ相場の戻りが止められた。その後に下落幅が拡大し、1.06ブレイクの局面が見られた。
上下のチャートポイント
今日もユーロドル(EURUSD)が下値をトライする場合、目先の焦点は89日MAの維持となろう。この移動平均線は今日現在、1.0568レベルで推移している。
ユーロドルの89日MAブレイクは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準1.0535トライのシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルがこのテクニカルライン(89日MA)をも下抜ける場合は、“サポート転換” が確認されている1.05の維持が焦点として浮上しょう。
一方、ユーロドルの上昇局面では、上で述べた21日MAのトライおよびブレイクが焦点となろう。
ユーロドルが21日MAの突破に成功しても、“レジスタンス転換” が確認されている1.08レベルをローソク足の実体ベースで突破しない限り、ユーロドルは下値トライの状況を維持すると予想する。
ユーロドルのチャート
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