ドル円とユーロドルの見通し
米ドル安の進行を受けドル円は再び下落トレンドへ転じている。対照的にユーロドルの上昇幅が拡大している。今日の見通しと注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※米ドル相場と円相場の展望についてはこちらのレポートをご覧ください
ドル円の見通しとテクニカル分析
短期サポートラインの攻防
米金利の低下基調が続いていることを考えるならば、ドル円(USDJPY)は引き続き下値を模索する展開を予想する。
日足チャートでドル円のトレンドを確認すると100日MA(133.63レベル)で反発が止められ、現在は10日MA(131.77レベル)を下方ブレイクする状況にある。そしてMACDはゼロラインを下回る状況が続いている。
米金利の低下基調とテクニカルの動向を考えるならば今日の焦点は、今年1月の安値127.22レベルを基点とした短期サポートラインのトライおよびブレイクとなろう。このラインは今日現在、131.10レベルで推移している。
ドル円が短期サポートラインを下方ブレイクするきっかけとして目先注目しておきたい材料が、3月ISM非製造業景気指数である。製造業景気指数に続き非製造業景気指数でも予想を下回る内容となれば、「景気後退の懸念→米金利の低下→米ドル安」により、ドル円は短期サポートラインをトライすることが予想される。
反発しても上昇幅は限定的
一方、ISM非製造業景気指数が予想以上の内容となれば、ドル円(USDJPY)の反発が予想される。このケースでは、132円台への再上昇が焦点となろう。
だが、日足ローソク足で連日長い上ヒゲが示現しての陰線引けとなったことを考えるならば、ドル円の上昇幅は限定的となる可能性が高い。ゆえにドル円の反発局面では、常に戻り売りを意識しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドルの見通しとテクニカル分析
レジスタンスゾーンをブレイクし新たな局面へ
米ドル安にサポートされユーロドル(EURUSD)は昨日、ついにレジスタンスとして意識されてきたフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0910レベルの突破に成功した。レジスタンスポイントの1.0920レベルをも突破したことで、IG為替レポートで取り上げてきた1.0910-20のレジスタンスゾーンを完全に突破したことになる。
21日MA(1.0764レベル)と50日MA(1.0733レベル)のゴールデンクロスに加え、MACDは引き続き地合いの強さを示唆する動きが続いている。
通貨オプション市場のリスクリバーサルはユーロプットの状況にある。しかしその動きは後退し、MACDと同じく地合いの強さを示唆する状況にある。
欧州中央銀行(ECB)の利上げスタンスも考えるならば、ユーロドルは新たな局面へシフトしたと判断したい。
ユーロドルとリスクリバーサル
焦点は1.10の攻防
上で述べた3月ISM非製造業景気指数が予想以下の内容となれば、米金利は低下基調を維持することが予想される。
ユーロドル(EURUSD)は引き続き米ドル安にサポートされ、節目の1.10をトライするかどうか?この点が焦点として浮上しよう。この水準(1.10前後)で上昇が止められる場合は、調整の反落を想定しておきたい。反落の局面では1.09が新たなサポートポイントになるかどうか?この点を確認したい。
一方、ユーロドルが1.10台へ上昇する場合は、今年2月の高値1.1032レベルのトライおよびブレイクが焦点として浮上しよう。
ユーロドルのチャート
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