通貨ペアで様相が異なる米ドル安
現在の外為市場では、リスク選好の局面で米ドル安圧力が高まり易い状況にあります。昨日はまさにそれを証明する相場となりました。しかし、同じ米ドル安でも通貨ペアによって違いが見られます。その違いとは?詳細はマーケットレポートにて。
同じ米ドル安でも通貨ペアによって違いあり
18日の主要な株価指数は軒並み上昇した。特に米国株式市場では、ダウ平均が一時1,000ドル超上昇する等、リスク選好ムードが高まった。S&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)は27%台まで低下し、VIX指数は30ポイントを割り込んできた(29.30)。カレンシーベイシススワップ市場では、米ドルの調達コストに大きいな変動は見られない。政策期待を背景とした株高が続く限り、外為市場では米ドル売り優勢の展開が続こう。リスクリバーサル(1週間)の動向を確認すると、相変わらず豪ドル/米ドル(以下AUD/USD)は上昇基調を維持している。今後1週間、通貨オプション市場の参加者は豪ドルを強気と見ていることがうかがえる。AUD/USDが上昇基調を維持する場合、目先の焦点が0.66の突破でることはこのレポートで指摘済み。0.6570の突破は0.66トライのシグナルと想定したい。
一方、下値の焦点は0.6370の維持で変わらず。0.6400および0.6370にはビッドの観測あり。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
一方、ユーロドルのリスクリバーサル(1週間)もAUD/USDと同じく上昇基調にある。欧州諸国の経済活動再開がユーロドルの上昇要因との指摘があるが、それは米国も同じである。よって、経済活動の再開は上昇要因のひとつではあるが、主因ではないだろう。では主因は何か?それはやはりFEDによる大規模な資金供給策であろう。しかし、AUD/USDのような上昇トレンドを描いているわけではない。この状況は世界金融危機の時にも見られた状況である。当時のバーナンキFRBは2008年から持続的な量的緩和政策(いわゆるQE1~QE3)を導入した。その過程で発生したのが欧州債務危機だった。つまり、この時のユーロドルはQEによる米ドル売り圧力vs欧州債務危機によるユーロ売り圧力がぶつかり合う状況にあった。肝心の実勢相場は、これら売り圧力に挟まれレンジ相場を形成。まさに現在と同じ状況にある。よって、ユーロドルは1.08以下では押し目買いによってサポートされるも、2019年の後半以降レジスタンスとして意識された1.12までの上昇が限界と予想する。1.12を目指すシグナルとして、まずは4月以降上値を抑制している1.10の攻防が焦点となろう。このレベルにはオファーの観測あり。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
最後にドル円だが、引き続き「米ドル安vs円安」の戦いが続こう。昨日は円安圧力が勝り、ドル円は107.50まで上昇する局面が見られた。AUD/USDやユーロドルと同じく、ドル円のリスクリバーサル(1週間)も上昇基調にある。よって、株高局面ではクロス円にサポートされるかたちで上値トライを予想する。だが、米ドル安圧力の強さを考えるならば107円後半、例えば今月11日の高値107.76前後で反落するリスクを警戒したい。107.50から108.00にかけては断続的にオファーが並んでいる。
一方、下値の焦点は107円台の維持となろう。米国株式市場が利確の局面では107.00トライを予想する。この水準にはビッドの観測あり。
ドル円(USD/JPY)
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