焦点は投機取引
外為市場は相変わらずの膠着状態です。この状態を打破するきっかけとして今週は投機的な取引に注目しています。注目の通貨は?マーケットレポートをご参照ください。
・焦点は投機取引
今週の外為市場は、米指標データおよび米中通商協議に関するヘッドラインにらみの展開を予想する。これらは、米ドル相場の変動要因である米長期金利(以下米金利)のトレンドを左右するからである。直近の米金利は1.7%~1.8台を中心に上下に振れる展開が続いている。このレポートで何度か指摘しているが、FEDのスタンスが「様子見」へ転じている現状を考えるならば、これまでのように米金利が低下一辺倒のトレンドを形成する可能性は低い。だが、上記の材料が総じて投資家の不安心理を高める内容となれば、米金利の反発圧力が後退し緩やかな低下基調を辿るだろう。その過程で投機的な取引を中心に米ドル売り圧力の高まりを予想する。
投機的な取引に注目する理由は、①近年の為替取引のほとんどは投機的な取引であること、②米ドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する買い越し額が183億6000万ドルと5週間ぶりの高水準となっていること、③超短期的によせ投機的な取引が相場を大きく動かすインパクトがあること(投機的な取引のみで長期のトレンドが発生することはない)、④それ故、現在の膠着した外為市場の状況を打破するきっかけを与える可能性があること、にある。投機的な取引の状況を計る指標として注目されるのが、IMM通貨先物市場のポジション(投機部門)である。直近の推移を確認すると、円ネットショートは約3万5千枚、ユーロのネットショートは約6万2千枚となっている。過去の経緯を考えるならば、相場を大きく変動させる水準にはない。一方、NZドルのネットショートは約3万5千枚。水準自体は日本円と同じである。だが、過去最高水準に到達後、ショートの巻き戻しの過程にある状況を考えるならば、日本円と違い変動幅の拡大が期待できる通貨として今週も注目したい。同じオセアニア通貨の豪ドルは、約4万7千枚のネットショートとなっている。5万枚超でショートの巻き戻しが発生するこれまでのパターンを考えるならば、「米ドル売り→ショートの巻き戻し」が発生し易いタイミングにある。
【IMMポジション動向:オセアニア通貨】
・「米ドル高→ロング解消」の展開で注目すべき通貨
逆に冒頭で述べた材料が米ドル高圧力を高める場合、メキシコペソの下落に警戒したい。ロングポジションが約14万の高水準まで積み上がっている。また、直近のドル/ペソは19.00前後がサポートポイント(メキシコペソの上限)として意識され、且つ20.257(8/29高値)を起点とした短期レジスタンスラインの突破に成功している。現在の水準は19.30レベル。米ドル高の展開となれば、メキシコペソのロングが解消される過程で19.50ブレイクの20.00トライを予想する。
【メキシコペソの動向】
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