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米雇用統計待ちムードの外為市場

米ドル相場は売り買いが交錯し、2月の米雇用統計待ちムードにある。ドル円とユーロドルは、米雇用統計後に大きく動くことが予想される。注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ


【サマリー】

・米ドル相場は売り買いが交錯し2月米雇用統計待ちのムード
・米雇用統計の結果次第で米ドル相場は上にも下にも大きく振れる展開が予想される
・強い雇用統計ならばドル円は138円台以上の攻防へシフトすることが予想される
・ユーロドルは1.05のトライおよびブレイクの可能性が次第に高まっている


米ドル相場は雇用統計待ちのムード

8日の外為市場では、米ドルの売り買いが交錯した。

米ドル相場のトレンドを示すドルインデックス(DXY)の日足ローソク足では十字線が示現した。ここからの上値追いに対して迷いを示すローソク足のかたちだが、その迷いの要因は10日の2月雇用統計にある。

ドルインデックスは、米雇用統計の内容次第で200日MA(106.59レベル)のトライ、または21日MA(104.27レベル)を目指す展開が予想される。このため、今日の外為市場でも米ドルの売り買いが交錯する状況が予想される。

ドルインデックスのチャート

ドルインデックスのチャート TradingViewの日足チャート:22年11月~

強い雇用統計ならばドル円は138円台以上の攻防を想定

ドルインデックス(DXY)と同じトレンドを描いているのが、ドル円(USDJPY)である。

日足チャートで直近の動きを確認すると、ドル円は200日MA(137.46レベル)を意識する状況が続いている。昨日は高値137.91レベルまで上昇する局面が見られた。しかし、“レジスタンス転換” が確認されている138.00レベルをトライする前に反落した。ドル円がさらに上値をトライするためには、”新たな材料” が必要であることを昨日の動きは示唆している。

目先、その材料となり得るのが2月の米雇用統計である。

2月ADP雇用統計と1月JOLTS求人件数は、アメリカの労働市場の堅調さを示す内容となった。これらの雇用関連指標に続き、2月の米雇用統計で賃金の上昇を伴う労働市場のひっ迫した状況が確認される場合は、次回の連邦公開市場委員会(FOMC、3月21日~22日)で利上げペースを再加速させる要因となり得る。

上のケースでは、米金利の上昇幅がさらに拡大することが予想される。一方、米国株は下落または急落することが予想される。外為市場では米ドル買いの圧力が高まり、ドル円は上昇幅の拡大-200日MAを完全にブレイクし138円台の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。米金利の動向によっては、半値戻しの水準139.59レベルを目指す展開も予想される。

逆に米雇用統計が総じて予想以下となれば、米債のショートカバー(買戻し)と米国株の上昇が予想される。このケースでは米ドル安によるドル円の反落が予想される。サポートラインとして意識されている10日MA(136.50レベル)を完全に下方ブレイクする場合は、135円台の維持が焦点となろう。

今日現在、21日MAが134.98レベルまで上昇している。テクニカルの面でも135.00の攻防に注目しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート TradingViewの日足チャート:22年10月~

1.05トライおよびブレイクの可能性が高まるユーロドル

一方、ユーロドル(EURUSD)は昨日、IG為替レポートで取り上げてきたフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0532レベルを下方ブレイクする局面が見られた。100日MA(1.0525レベル)でかろうじてサポートされる展開となったが、MACDやモメンタムでは地合いの弱さを示す動きが続いている。

1.07レベルの “レジスタンス転換” が鮮明となり、かつ89日MA(1.06レベル)もその可能性が出ていることや通貨オプション市場のリスクリバーサル(1ヶ月)がユーロプットへ傾いている状況も考えるならば、ユーロドルの1.05トライおよびブレイクの可能性が次第に高まっている。ユーロドルの100日MAブレイクは、1.05をトライするシグナルと想定しておきたい。

2月の米雇用統計が総じて予想以上の結果となれば、米独利回り格差の拡大が予想される。よって、このケースでのユーロドルは、1.05を完全に下方ブレイクことが予想される。

ユーロドルが1.04台の攻防へシフトする場合、注目しておきたいことが二つある。ひとつは、1.05の “レジスタンス転換” である。この状況が確認される場合は、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に意識させ、さらなる下落を促すきっかけとなり得る。

もうひとつの注目ポイントは、相場が反発する水準である。”強い” 米雇用統計を受けた安値となれば、その水準が目先のサポートポイントとなる可能性がある。その候補として、まずはフィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準1.0414レベルの攻防に注目しておきたい。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート TradingViewの日足チャート:22年11月~

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