テスラ（TSLA）、モデル3の中国での販売増、および自動車と再生可能エネルギーが一体となった事業モデルの成長性に期待
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BLOOMBERG TSLA:US | REUTERS TSLA.O
- 2019/12期3Q（7-9月）は売上高が前年同期比7.6％減、純利益が同54.0％減。ただし、純利益は1Qおよび2Qの赤字から黒字転換。
- コンパクトセダンであるモデル3の販売数量増、および新生産ラインへの切換えによる単位当たり設備投資額の低減などが奏功した。
- モデル3の中国での販売増、および自動車と再生可能エネルギーが一体となった事業モデルの成長性に期待が集まろう。
What is the news?
10/23発表の2019/12期3Q（7-9月）は、売上高が前年同期比7.6％減の63.03億USD、純利益が同54.0％減の1.43億USD。ただし、コンパクトセダンであるモデル3の販売数量増や営業費用の低減のほか、新しい生産ラインへの切換えによる単位当たり設備投資額の低減が奏功し、純利益が1Qの▲7.02億USD、2Qの▲4.08億USDから黒字転換した。売上の85％を占める自動車事業の粗利益率は対2Q比3.9％ポイント上昇の22.8％に改善した。資本的支出の増加（対2Q比54.0％増の3.85億USD）を吸収してフリーキャッシュフローが3.71億USDの黒字となり、現金及び現金同等物が前年同期比79.9％増の53.38億USDとなった。
セグメント別の概要は以下の通り。自動車事業は、モデルSおよびXの生産台数が前年同期比39.3％減の16,318台だったのに対し、モデル3の生産台数が同50.0％増の79,837台。同社が重点的に注力中のサービスネットワーク拡張についても、エネルギー貯蔵・サービス所が対2Q比11ヵ所増の413ヵ所、移動車両サービス隊が同68隊増の719隊となった。エネルギー生成・貯蔵事業は、太陽光発電能力が前年同期比53.8％減の93MW、エネルギー貯蔵能力が同98.8％増の477MW/h。対2Q比では太陽光発電能力が48.3％増、エネルギー貯蔵能力が14.4％増と堅調に拡大した。
How do we view this?
同社は1/3、2019/12通期の電気自動車販売台数が前期比50％増の367,500台になったと発表。4Qの世界販売台数は、モデル3が同46.5％増の92,550台と伸びたことが寄与して前年同期比23.5％増の112,000台となった。2019/12に中国・上海工場でモデル3の出荷を開始し、中国での現地生産により米中貿易摩擦の影響を受けにくい収益構造の構築が期待される。また、イーロン・マスクCEOは3Q決算発表時に、同社のエネルギー生成・貯蔵事業が最終的には自動車事業以上のものになると予測していると述べた。日本でも2020年春に家庭用蓄電池「パワーウォール」を発売予定である。業績改善が続けば、自動車と再生可能エネルギーを組み合わせた事業モデルの成長性が改めて高く評価される余地があろう。2019/12通期市場予想は、売上高が前期比13.8％増の244.31億USD、当期利益が前期の▲9.76億USDから▲8.16億USDへ赤字幅縮小である。
終値（USD）469.06 2020/1/7
会社概要
2003年に設立され、2017/2に社名をテスラ・モータースから変更した。米国、中国、オランダ、ノルウェーのほか世界的に電気自動車とエネルギー生成および貯蔵システムの設計・開発・製造・販売を行う。同社の事業は、自動車事業とエネルギー生成・貯蔵事業から構成されている。
自動車事業は、セダンとスポーツ・ユーティリティ車を提供するほか、電気自動車のパワートレイン部品とシステムを他のメーカーに提供している。自社所有の店舗とギャラリーのネットワークを通じて製品を販売し、同社所 有のサービスセンターやサービス・プラス、および同社の移動車両サービス隊に属する技術者を通じて電気自動車に係るサービスを提供する。
エネルギー生成・貯蔵事業は、家庭、商業施設、および電力系統で使用するための充電式リチウムイオン電池システムなどのエネルギー貯蔵製品を提供している。住宅および商業施設向けに太陽エネルギーシステムの設計・製造・設置・保守・リースおよびの販売を行うほか、再生可能エネルギーを販売する。
企業データ（2020/1/8)
ベータ値 0.87
時価総額（百万USD）84,546
企業価値=EV（百万USD）95,244
3ヵ月平均売買代金（百万USD）3,386.4
1.Musk Elon Reeve 18.91
2.BAILLIE GIFFORD AND COMPANY 7.46
3.CAPITAL GROUP COMPANIES INC 5.68
（出所:Bloombergをもとにフィリップ証券作成）
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