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リスク要因を飲み込む政策相場 / 米ドル安の圧力が高まり易い状況は続く / ドル円は重要なサポート水準106円維持の攻防へ

今日のサマリー。あらゆる市場のリスク要因を政策相場が飲み込む状況にあるのが現在の株式市場。株高と米ドル安のセット相場は続く。ドル円は106.00の攻防が焦点として浮上。詳細はマーケットレポートをご覧ください。

Source: Bloomberg Source: Bloomberg

リスク要因を飲み込む政策相場

昨日の外為市場は、株高を背景に米ドル安優勢の展開となった。

米ドル安の要因となった株式市場だが、昨日は「ナバロ発言」で一時混乱する局面が見られた。
しかし、それは一過性の下落で終わった。

この動きが示しているのは、政策に対する市場の期待があらゆるリスク要因を飲み込む現在の株式市場の姿である。

FEDが超金融緩和政策を導入して以降(3月23日以降)の米株のパフォーマンスを確認すると、概ね5回の反落局面があった。
その要因のほとんどが「コロナショック」だったが、いずれも反転後に必ず上昇している。

経済活動が再開されたとはいえ、指標データの内容は未だコロナショックが発生する前の水準には程遠い。
また、予想ESPと株価との乖離も鮮明となっている。

それでも株価が上昇し続けるということは、市場参加者が抱く政策期待の強さが未だ健在だからである。

この「政策相場」に大きな変化が見られない限り、株高の調整局面は見られても株安トレンドへ転換する可能性は低いだろう。

米国株式のパフォーマンス

米国株式のパフォーマンスチャート


米ドル安の圧力が高まり易い状況は続く ドル円は重要なサポート水準106円維持の攻防へ

FEDの超金融緩和政策は、金融市場で「株高と米ドル安のセット相場」を演出している。

実際、株高が続いたことで、今週の米ドル相場のパフォーマンは総じて米ドル安となっている。

注目したいのは、ドル円の下落である。
FEDの政策により4月以降の株高局面では円安優勢の局面が見られるようになったが、昨日は米ドル安優勢の展開となった。

株安局面での力関係は「円高 > 米ドル高」となる一方、株高の局面では、円安と米ドル安の関係は未だ拮抗していることが昨日の動向で判明した。
これは言い換えれば、株安の局面でドル円は下落する可能性が高い一方、株高の局面では、必ずしもドル円が上昇するとは言い切れない状況が今後も続くということである。

米ドル相場のパフォーマンス:対先進国通貨

米ドル相場のパフォーマンスチャート(対先進国通貨)

そのドル円だが、昨日は6月11-12日に相場をサポートした106.50レベルを下方ブレイクする展開となった。

107円台がレジスタンスとして意識され始めている状況も考えるならば、サポートの水準を106.00と想定したい。
この水準は、5月6-7日に相場をサポートした経緯がある。
また、フィボナッチ・プロジェクションの50.00%の水準にあたり、且つビッドも観測されている。

過去の動向、テクニカルそしてオーダー状況の面で106.00の攻防は、今後のトレンドを見極める上で重要な水準として意識したい。

一方、上値の焦点は107円台の突破である。昨日、上値を抑制した107.20にはオファーが観測されている。

ドル円のチャート

ドル円のチャート USDJPY chart

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