今週の展望 ドル円は新たなレジスタンスポイントを探る展開に / ポンドドルは反落を警戒
今日のポイント:『クリスマス休暇で今週の外為市場はレンジ相場となる可能性あり。だが、コロナリスクによる変動幅の拡大には要注意。コロナリスクは米ドルを買い戻す要因となろう。ドル円とポンドドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
今週の展望 ドル円は新たなレジスタンスポイントを探る展開に
今週の外為市場は、クリスマス休暇により市場参加者が少なくなる。主要な通貨ペアの変動幅が縮小する可能性がある。
だが、変動幅が拡大する可能性もある。その要因となり得るのが、英国で確認された変異種の新型コロナウイルスの脅威である。コロナリスクが再び意識される局面となれば、米ドル安を調整する動き(米ドルの買戻し)が見られよう。
ドル円の焦点は、新たなレジスタンスポイントの水準がどこになるのか?この点となろう。
候補として挙げられるのが104.75レベルである。先月の24日以降、この水準でドル円の戻りが抑制され、102円ブレイクのきっかけとなった経緯がある。
104.75前後には一目雲の上限が推移し、かつ7月1日の高値108.16を起点とした短期レジスタンスラインもクロスしている。テクニカル面でも104.75レベルは重要なチャートポイントとして意識しておきたい。
104.75レベルの突破に成功する場合は、11月の上旬に上値を抑制した105.65レベルを次のレジスタンスポイントとして意識したい。
一方、下値の焦点は、今月17日の安値102.86の再トライとなろう。
この水準を下方ブレイクする場合は、ビッドが観測されている102.50レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。
予想変動率(1週間)に大きな動きが見られないことを考えるならば、一気に102.00をトライする可能性は低い。
ドル円のチャート
ポンドドルは反落を警戒
ポンドドルのトレンドは、引き続き英国・EU間の通商協議の動向次第となろう。
その協議だが、延長期限の20日となっても継続している。英国サイドとしてはクリスマス前の合意を望んでいるが、漁業権の問題がネックとなっているようだ。
この状況を反映し、通商協議の合意に関するブックメーカー(Smarkets)の最新オッズは80%から48%まで急低下している。
また、コロナリスクもポンドドルの反落要因となる可能性がある。
英国内では現在、変異種の新型コロナウイルスの脅威が高まっている。オランダでも同じ変異種が確認されたため、同国は英国からの渡航を禁止した。また、イタリア、オーストリアそしてベルギーといった欧州各国も英国からの渡航禁止措置を取るとの報道がある。
通商協議が難航している状況で新型コロナウイルスのリスクにまで直面する状況は、ポンド相場にとってネガティブ要因である。事実、週明けのポンドドルは1.35台ではなく、1.3473レベルで始まった。ひとまず、フィボナッチ・リトレースメントの23.6%の水準1.3399で反転したが上値は重い。上で述べた難航する通商協議とコロナリスクを反映した動きといえる。
予想変動率(1週間)も再び上昇するムードが出始めている。通商協議で進展が見られなければ、リトレースメント38.2%の水準1.3260を視野に下落幅の拡大を警戒したい。
この水準を下方ブレイクする場合は、50.0%の水準1.3148まで下落幅が拡大する可能性があろう。
一方、通商協議で進展が見られるならば、ポンドドルは反転しよう。このケースでは、17日の高値1.3624のトライが焦点となろう。
ポンドドルのチャート
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