堅調地合いのポンドドル / 軟調地合いのユーロドル
今日のポイント:『英国・EU間の通商協議の進展期待を背景にポンドドルは反発。しかし、協議の状況次第で再び下落する可能性があることを通貨オプション市場の参加者は意識している。ユーロドルは調整相場となっており、目先は1.20台の維持が焦点に』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
堅調地合いのポンドドル
昨日の米国株式市場は、ハイテク株を中心に売り圧力が高まり主要3指数が軒並み下落した。米株安を受け、外為市場では米ドルを買い戻す動きが見られた。
そのような状況の中、英ポンド(以下ではポンド)が対米ドルで反発した。英国・EU間の通商協議に対する楽観論が再び台頭し、これが相場のサポート要因となった。
期待通り合意に向けて協議が進展すれば、ポンドドルは再び1.35レベルを目指す展開が予想される。
しかし、通貨オプション市場の動向を確認すると、市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は未だ低下基調にある。対照的に予想変動率(1週間)は上昇基調にある。これらは、通商協定の合意なしで英国がEUから離脱する可能性をオプション市場の参加者が意識している動きと筆者は捉えている。
ポンドドルの短期予測
オプション市場の予測通り、ポンドドルで調整相場が続く場合、目先のチャートポイントはフィボナッチ・リトレースメンの38.0%と50.0%の水準となろう。先月の中旬以降、これらテクニカルポイントで下値がサポートされる展開が見られる。
これらフィボナッチ・リトレースメントの水準を下方ブレイクする展開となれば、次の焦点は1.31台の維持となろう。11月12日と13日に1.3105レベルが相場をサポートし、1.35上昇の起点となった経緯がある。
一方、上値の焦点は1.3500の再トライとなろう。
1.3500レベルでのポンド売りの強さは、昨日の日足ローソク足(長い上ヒゲ)が示唆している。昨日の高値1.3477の突破は、1.3500トライのシグナルと想定したい。
1.35台へしっかり乗せてくるならば、4日高値1.3539をローソク足の実体ベースで突破できるかどうか?この点に注目したい。
ポンドドルのチャート
軟調地合いのユーロドル
一方、ユーロドルは予想通り調整相場へ転じている。昨日は安値1.2057まで下落する局面が見られた。
ポンドドルと同じく、ユーロドルのリスクリバーサルも低下基調を維持している。今月2日の安値1.2038を下方ブレイクする展開となれば、1.20がレジスタンスポイントからサポートポイントへ転換するかどうか?この点を確認する展開となろう。1.1883(11/26安値)を起点とした短期サポートラインの下方ブレイクは、1.20トライのシグナルと想定したい。
一方、上で述べた通商協議の進展や株高のみのリスク選好相場によって相場がサポートされる場合は、調整の反発(ユーロ買い/米ドル売り)が予想される。このケースでは1.21台への再上昇が目先の焦点となろう。
1.21台へしっかり乗せてくる場合は、1.2150レベルの攻防が焦点として浮上しよう。昨日はこの水準手前で上値が抑制された経緯がある。また、7日もこの水準前後で反発が抑制された。4日高値1.2177を起点とした短期レジスタンスラインの突破は、1.2150トライのシグナルと想定したい。
ユーロドルのチャート
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