ユーロ以上の売り圧力に直面する英ポンド / 市場は英ポンドの短期的な下落を予想 / ポンドドルのチャートポイント
今日のサマリー。現在、ユーロ以上の売り圧力に直面しているのが英ポンド。9月に入り、英ポンド安が鮮明となっている。要因は英欧の政治リスク。今週はポンドドルの下落を警戒したい。注目のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ユーロ以上の売り圧力に直面する英ポンド
昨日は、米国市場が休場で主要通貨ペアに大きな動きは見られなかった。
このような状況の中、英ポンドは主要通貨に対して下落する展開となった。
英ポンド売りの要因は、英欧通商協議に対する警戒感である。7日にジョンソン英首相は、EUとの通商協議の合意期限を10月15日にすると発言した。
さらに、EUとの貿易協定がなくとも『自国の法律、規制、そして海域をコントロールして、世界の国々と貿易協定を結ぶ自由』についても言及した。
これら一連の発言からは、デッドラインを設けることでEU側に譲歩を促し、交渉を有利に進めようとする思惑が見え隠れする。
しかし、企業の補助金の規制や漁業権などを巡り、今年の3月以降始まった交渉に進展は見られない。
このため外為市場では、今年末の「合意なき離脱」に対するリスクが意識され、英ポンドは9月以降、調整相場のユーロ以上に売り圧力が高まる展開となっている。
英ポンドのパフォーマンス(9月以降)
市場は英ポンドの短期的な下落を予想
市場参加者の短期予測を反映するリスクリバーサルを確認すると、低下基調へ転じている。
これは、英ポンドが米ドルに対して下落することを市場関係者が予測していることを示している。
また、予想変動率(インプライドボラティリティ)が上昇していることを考えるならば、ポンドドルは短期的に下落幅が拡大する可能性があろう。
ポンドドルの短期予測
ポンドドルのチャートポイント
EUとの政治リスク、そして現在の通貨オプション市場の動向を考えるならば、本日の英ポンドは対米ドルで下値を目指す展開を予想する。
すでに21日MA(今日現在1.3187レベル)を下方ブレイクしていることを考えるならば、次の下値ターゲットは、フィボナッチ・リトレースメントの38.20%の水準1.3111レベル、そして8月の下旬に相場をサポートした1.3050レベルを想定したい。
1.3050をも下方ブレイクする展開となれば、節目の1.30を視野に下落幅の拡大が予想される。
なお、1.30レベルはフィボナッチ・リトレースメント50.0%の水準にあたる。1.30レベルを下方ブレイクする要因として、英欧の政治リスクの高まりと米国株式の下落幅の拡大を意識しておきたい。
1.30以下の展開では、21日MAのかい離率から反転の水準を考えたい。
ポイントは「マイナス2%のかい離」である。
米国をはじめとした主要国が大規模な財政と金融緩和の政策を打ち出したのが、今年の3月下旬以降である。
それ以降、ポンドドルは緩やかな上昇トレンドを維持している。
5月と6月に調整の局面が見られたが、ともに21日MAとのかい離率がマイナス2%の水準で反転している。
今日の21日MAは1.3187レベルで推移している。この水準からマイナス2%乖離したレベルは1.2920である。
ポンドドルのチャート
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