焦点は引き続き米国市場の動向 / 豪ドル米ドル、ユーロドルそしてドル円の注目ポイント
今日のポイント:『今週の外為市場は米金利にらみの展開を予想。豪ドル/米ドルは0.7400トライが焦点。ユーロドルは1.2000の攻防が焦点。ドル円は103.00-105.00のレンジをどちらにブレイクするかが焦点』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
外為市場は米国市場にらみの展開は続く
今週の外為市場は、米国市場にらみの展開が続くと予想する。
株高トレンド続く可能性が高いことを考えるならば、米ドル相場のトレンドは長期金利(以下では米金利)の動向に左右されやすい状況にある。
その米金利は、新型コロナ関連の報道と指標データによりトレンドが左右されると予想する。
米国内における新型コロナウイルスの感染者数は、各州が実施している人の移動や飲食店等の営業規制による効果が出始め、減少傾向にある。この状況は米金利の上昇要因となり得る。
また、コロナワクチン開発に関する新たな報道も米金利の上昇圧力を高める要因となろう。
一方、指標データでは、12月1日発表の11月ISM製造業景況指数、3日の同月ISM非製造業景況指数、および4日に発表される11月雇用統計の内容が米金利の動向に影響を与えるだろう。
現在の米ドル相場は、株高のみのリスク選好相場を背景に米ドル売りの圧力が高まっている。
しかし、上で述べた材料により米金利が上昇すれば、外為市場では対円や新興国通貨を中心に米ドルを買い戻す動きが見られよう。
また、米株高の調整も米ドルを買い戻す要因となろう。
一方、株高のみのリスク選好相場が続く場合は、米ドル安を軸としたトレンドが継続しよう。
米長期金利のチャート
豪ドル/米ドルは9月以来となる0.74が焦点に
豪ドル/米ドルは、株高トレンドを背景にレジスタンスポイントの0.7340の突破に成功している。
市場の短期予測を反映するリスクリバーサルが低下基調へ転じており、目先は調整の反落を警戒する必要があるが、株高トレンドが続く限りは米ドル売りが相場をサポートしよう。
目先の焦点は、今年の9月以来となる0.74台への到達である。先週27日の上昇局面では、0.7399で見事に上値が抑制された。9月の動向を見ても、0.7400前後での豪ドル売りの強さがうかがえる。
株高トレンドを背景に0.74台へ到達し、かつこの水準の維持に成功する場合は、さらなる上値トライのシグナルと想定したい。
一方、豪ドル/米ドルの売り要因は、株式市場との高い相関関係を考えるならば株高の調整(特に米株高の調整)である。このケースでは、0.7340の下方ブレイクおよび21日MAまでの反落を想定しておきたい。
なお、このMAは今日現在、0.7282レベルで推移している。
豪ドル/米ドルのチャート
ユーロドルも1.19台の維持に成功 次の焦点は節目の1.20トライ
豪ドル/米ドルと同じく、ユーロドルも重要レジスタンスポイント1.1900の突破に成功している。
1.19台へ上昇した後の焦点は1.19台の維持だが、27日は陽線の示現によりこれを達成している。よって今後の注目点は、節目の1.20レベルをトライするかどうか?この点にあろう。
市場参加者の短期予測を反映するリスクリバーサルは上昇基調にある。市場参加者が短期的なユーロ高を意識している状況を考えるならば、今週中に1.20をトライする可能性があろう。このケースでは、1.20前後でダブルトップを形成するかどうか?この点が焦点となろう。
ユーロドルの下落要因は、豪ドル/米ドルと同じく米株高の調整となろう。
また、さえない指標データもユーロ売り要因となり得る。
反落の局面で1.19台の維持に失敗する場合は、今月の11日以降、相場をサポートしている21日MA(今日現在1.1837レベル)を目指す展開を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
ドル円のトレンドは米金利の動向次第
11月以降の主要通貨ペア(ドル円/ユーロドル/豪ドル米ドル)と米金利の関係を相関係数で確認すると、ドル円のそれは『0.54』と高い相関性が確認できる。一方、ユーロドルと豪ドル/米ドルには直線的な関係がほとんど見られない。
主要通貨ペアの中でもドル円は、米金利の影響を受けやすい状況にあることがわかる。
今週は、103.00-105.00のレンジをどちらにブレイクするか?この点が焦点となろう。
株高の局面で米金利の上昇が続く場合は、105.00を目指す展開を想定したい。直近の戻り高値104.75(11/24高値)のブレイクは105.00トライのシグナルと想定したい。
一方、今月の18日と23日に相場をサポートした103.65レベルを完全に下方ブレイクする場合は、103.00を視野に下落幅の拡大を想定したい。
米長期金利と米ドル相場の相関関係
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