指標データと米金利の反応
株安圧力が後退している現状、外為市場のトレンドは引き続き米金利の動向次第と考えています。本日は欧米の指標データが米ドル相場のトレンドを左右するでしょう。米金利の反発基調が続いても、ジャクソンホール会議を前に上昇幅が拡大する可能性は低いと思われます。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
Analysis Highlights
・指標データと米金利の反応
21日の外為市場は米ドル買い優勢の展開となった。材料不足の中、この日の米長期金利(以下米金利)は小幅に反発。外為市場では米ドル買い圧力が高まり、対先進国通貨では豪ドルとカナダドルを除いて米ドル高の展開となった。一方、対新興国通貨ではチリペソを除き総じて米ドルが上昇した。株安リスクが後退していることで、本日の外為市場も米金利にらみの展開が続こう。米金利が反発基調を維持できるかどうか、この点を見極める上で本日注視すべきは指標データである。パウエルFRBがハト派スタンスへ傾斜して以降、米株や原油価格の反発に反応の薄い米金利だが、良好な指標データには敏感に反応する傾向が見られる。8月の各PMI景気指数速報値(製造業購買担当者/ サービス部門購買担当者)および7月景気先行指標総合指数が総じて市場予想を上回る場合、米金利の反発基調継続を予想する。このケースでのドル円は107.00を上限と想定し、戻り高値を探る展開となろう。一方、ユーロドルは1.1060レベルの維持が焦点である。しかし、良好な指標データを背景とした米金利の反発は限定的となろう。米株の反発に追随出来ない米金利の状況は、パウエルFRBのさらなるハト派傾斜を米債券市場の参加者が意識していることを示唆しているからだ。ジャクソンホール会議(パウエルFRBのスタンスを確認する)前に米金利が1.75~1.80%のキャップ水準を突破する可能性は低いと予想する。
【米長期金利(10年債利回り)】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は引き続き米金利にらみの展開となろう。「良好な指標データ→米金利反発」のケースでは106.70の突破および21日MA(106.86前後)のトライを予想する。106.70から107.00にかけてはオファーが並んでいる。一方、「冴えない指標データ→米金利低下」のケースでは106円台の維持が焦点となろう。106.00にはビッドの観測あり。
ユーロドルは欧米の指標データにらみの展開となろう。本日はドイツとユーロ圏の各PMI景気指数(製造業購買担当者/ サービス部門購買担当者)が発表される。総じて市場予想以上ならばユーロの買戻し優勢を予想する。良好な欧州指標データとは対照的に米指標データが総じて市場予想を下回る場合は、21日MA(1.1136前後)のトライを予想する。一方、米指標データが総じて市場予想を上回るならば、米金利の反発圧力がユーロ買い圧力を相殺しよう。このケースではオファーが観測されている1.1120レベルでレジストされる展開を予想する。1.1130および1.1150にもオファーの観測あり。欧州指標データが総じて市場予想を下回る場合は、サポートポイント1.1060トライを予想する。このレベルにはビッドが観測されている。1.1050にもビッドの観測あり。
【ドル円】
【ユーロドル】
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