指標データにらみの米金利 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
今日のポイント:『米金利は指標データにらみの展開。ドル円は短期レジスタンスラインの攻防が焦点。ユーロドルは1.20レベルでの売りの強さを再確認。今日は1.19台の維持が焦点』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
指標データにらみの米金利
昨日の米国市場は『株安/金利低下』の展開となった。状況だけみるとリスク回避に見えるが、米株の下落は利益確定売りの要素が強く、投資家の不安心理が高まっているわけではない。事実、米株の各ボラティリティ指数は、低い水準で安定的に推移している。
一方、外為市場では米ドル買い優勢の展開となったが、月末のポジション調整の買いの要素が強く上昇幅は限定的だった。
昨日のような米ドルの調整買いは今後も散見されるだろう。
しかし、米長期金利(以下では米金利)が低下基調にあることを考えるならば、トレンドの軸は米ドル安であることを認識しておきたい。
米ドルの調整買いを促す最大の要因は米金利の上昇だが、その米金利のトレンドを左右する要因として、今日以降は指標データの内容に注目したい。
本日は11月ISM製造業景況指数(予想値58)が発表される。
前月から低下する見通しだが、市場予想を上回る内容となれば、米金利の反発圧力を高める要因となり得る。
また、4日に11月雇用統計が控えていることも考えるならば、雇用指数の動向にも注目したい。回復基調が続けば、労働市場が一段と改善する期待が高まろう。労働市場に対する改善期待も米金利の反発要因となり得る。
ISM製造業景況指数の動向(年初来)
ドル円の焦点は短期レジスタンスラインの攻防
米金利との相関性が高まっているドル円の状況を考えるならば、上で述べたように『良好な指標データ→米金利の反発』の展開となれば、ドル円は上値を試す展開が予想される。
このケースでの焦点は、先月24日の戻り高値104.75の突破である。
しかし、テクニカル面で注視すべきは短期レジスタンスラインである。
このラインは今日現在、105.00で推移している。今年の7月以降、このラインで上値が抑制され続け、ドル円は下落トレンドを形成している。
短期レジスタンスラインの突破に失敗し続ける限り、ドル円は常に下値をトライする可能性を意識したい。
なお、105.00にはオファーが観測されている。
本日の米国市場が『株高/金利低下』、もしくは『株安/金利低下』の展開となれば、ドル円は103円台へ反落する展開を想定したい。
このケースでの焦点は、先月18日と23日に相場をサポートした103.65レベルの維持となろう。
この水準をも下方ブレイクする展開となれば、11月の安値103.15レベルの攻防が次の焦点として浮上しよう。
103.15のブレイクは、103.00トライのシグナルとして警戒したい。103.50および103.00にはビッドが観測されている。
ドル円のチャート
ユーロドル 1.20レベルでの売り圧力は健在
昨日のユーロドルは、1.20レベルで上値が抑制された。そして日足ローソク足は、長い上ヒゲが示現しての陰線となった。9月の上昇局面でも同じ展開で上値が抑制され、その後1.16レベルまで反落した経緯がある。
1.20レベルでの売りの強さが健在であることが確認され、且つ反落ムードが出始めていることで、今日の焦点は1.19台の維持となろう。
この水準を維持することに成功すれば、1.20をトライする相場が継続しよう。
一方、1.19をあっさりと下方ブレイクする場合、まずは21日MAまでの下落を想定したい。このMAは今日現在、1.1850前後で推移している。
なお、市場参加者の短期予測を反映するリスクリバーサル(1週間)は低下基調へ転じている。米ドル安トレンドが続く限り、1.20を突破する可能性は高いが、11月に2.4%も上昇したことを考えるならば、調整の反落(ユーロ売り/米ドルの買戻し)を警戒すべきタイミングにある。
ユーロドルのチャート
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