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トレンド決定要因としての米指標データ

ISM製造業景況指数はついに好不況の分岐点である50ポイント割れ。今年に入り指標データは米金利のトレンド決定要因となっています。つまり米ドル相場のトレンドも指標データ次第ということになります。今日のレポートはこの点にフォーカスしました。

Source :Bloomberg Source :Bloomberg

Analysis Highlights

・トレンド決定要因としての米指標データ

8月米ISM製造業景況指数は49.1と、好不況の分岐点である50.0ポイントを下回った。新規受注も47.2へ落ち込んだ。米中リスクが激化し始めた昨夏以降、同指数が低下傾向を辿っている状況を考えるならば、貿易摩擦の負の影響がジワジワと米国経済に浸透していることが伺える。目下のところ米指標データは長期金利(以下米金利)のトレンド決定要因となっている(今年に入り米金利は株高局面にも原油価格の反発局面にも追随できない状況が続いている)。米金利の動向を左右するということは、米ドル相場のトレンドを決定付ける要因と考えることもできる。事実、昨日は「冴えないISM製造業景況指数→米金利の低下」を受け、米ドルは新興国通貨に対してさえ下落した。本日は7月米貿易統計が発表される。焦点の対中赤字額が拡大傾向を示すならば、米中対立リスクが意識されることで米金利の低空飛行状態が続くことが予想される。このケースでは米ドル売り優勢の展開を予想する。ドル円は105円台を中心とした攻防となろう。一方、ユーロドルは1.10台の回復を予想する。展望の詳細は以下を参照されたし。

【ISM製造業景況指数と米長期金利】

ISM製造業景況指数 The US treasury yield 米10年債利回り

・ドル円とユーロドルの展望

米金利の低空飛行状態を考えるならば、今日のドル円は上値の重い展開を予想する。目先、下値の焦点は先月27日以降相場をサポートしている105.50レベルの攻防となろう。このレベルにはビッドが観測されている。この水準を下方ブレイクするということは、米株安も同時に進行していることが想定される。米国市場が「米金利の低下/株安」の展開となる場合、105.00を視野に下落幅の拡大を警戒したい。105.00にもビッドの観測あり。一方、米金利が反発する場合は、レジスタンスポイントとして浮上しつつある106.40レベルのトライが焦点となろう。106.50にはオファーが観測されている。
ユーロドルだが、昨日は長い下ヒゲが示現した。先月26日から続く下落トレンドのクライマックスを示唆している可能性がある。このタイミングで米金利の低空飛行状態が続く場合は、1.10台の回復を予想する。テクニカル面ではフィボナッチ・リトレースメントの各水準での攻防に注目したい。一方、米貿易赤字の縮小や調整により米金利が反発する場合は、昨日安値1.0924のトライが焦点となろう。1.0920および1.0900にはビッドの観測あり。

【ドル円】

USDJPY ドル円


【ユーロドル】

ユーロドル EURUSD

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