米金利の動向に左右されるドル円 / ドル円とユーロドルのチャートポイントについて
今日のポイント:『ドル円は米金利の動向に左右される展開が続いている。米金利の反発材料として追加の景気対策を巡る協議に注目。ドル円とユーロドルのチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の動向に左右されるドル円
昨日の米国株式市場は、主要3指数が反発して終えた。追加の景気対策を巡り与野党が近く協議を再開するとの報道が相場をサポートした。
一方、米債市場では長期金利(以下では米金利)が一時0.89%まで上昇し、ドル円をサポートした。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により景気の先行き不透明感が米金利の反発圧力を後退させ、日本時間の午前7時前に0.83%台まで低下する展開となった。
米金利の反発が一過性に終わったことで、ドル円も104.20レベルから103円台へあっけなく反落した。
以下のチャートを見ると、現在のドル円は米金利の動向に左右されていることがわかる。
低下基調が続く米金利の反発要因は、良好な指標データとコロナワクチン開発の進展や供給に関する報道だが、ここにきて追加の景気対策を巡る協議の進展、という要因も浮上してきた。
米大統領選挙で暗礁に乗り上げていた協議が進展すれば、コロナリスクによる景気の先行き不透明感が後退することで、米金利には反発の圧力が高まろう。
また、協議の進展は米株のサポート要因でもある。米金利の反発と株高が同時に発生すれば、ドル円は以下で述べるチャートポイントの攻防になると予想する。
ドル円と米長期金利の比較チャート
ドル円のチャートポイント
昨日のドル円は、一時的な米金利の反発により104.20レベルまで上昇する局面が見られた。
この水準は、19日のレポート『今日のドル円の焦点』の項目で指摘したとおり、フィボナッチ・リトレースメント38.20%の水準にあたる。
昨日の1時間足のローソク足を確認すると、長い上ヒゲが示現し104.20で見事に上値が抑制された。よって本日も、米金利が反発する局面でのドル円は、104.20レベルの攻防に注目したい。
104.20の突破に成功する場合、次のターゲットはフィボナッチ・リトレースメント50.0%の水準104.55となろう。
一方、下値の焦点は、今月18日の安値103.63の攻防となろう。
この水準を下方ブレイクする場合は、ビッドが観測されている103.50レベル、そして今月6日と9日に相場をサポートした103.15レベルが次のサポートポイントとなろう。
103.20にもビッドの観測あり。
ドル円のチャート
ユーロドルのチャートポイント
ユーロドルは今年の7月以降、何度か1.19台へ到達する局面が見られる。しかし、1.19台の維持には失敗し続けている。
その結果、1.16-1.19のレンジ相場が続いている。
この状況を打破するシグナルが1.19台の維持である。
『米金利の低下→米ドル安』が続いていることを考えるならば、1.19台へ再上昇する局面はあろう。しかし1.19台の維持に成功しない限り、レンジ相場は継続するだろう。
一方、1.19台を維持する局面が多くなれば、それは1.19がレジスタンスのポイントからサポートのポイントへ転換するシグナルとなる。
このケースでは、節目の1.20レベルを視野に上昇幅の拡大を予想する。
今日の上値の焦点が1.19の突破なら、下値の焦点は1.18台の維持である。
今月の13日以降、ユーロドルは1.1800前後で底堅さが増している。昨日は1.1815で相場がサポートされた。
なお、1.1800から1.1820にかけては断続的にビッドが観測されている。
ユーロドルのチャート
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