コロナリスクで米ドル買い ドル円は米金利にらみの展開が続く / ドル円とポンドドルのチャートポイント
今日のポイント:『昨日はコロナリスクで米ドル買い優勢の展開に。ドル円のトレンドは米金利の動向次第。米金利の上昇が抑制されるならばドル円は反落するか上値の重い展開を想定したい。ポンドドルは通商協議をにらんだ状況が続く』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
コロナリスクで米ドル買い ドル円は米金利にらみの展開が続く
昨日の外為市場は、新型コロナウイルス(変異種コロナ)の感染リスクが意識され米ドル買い優勢の展開となった。同時に円買いの圧力も高まったが、この日は米ドル買いの圧力が円買いの圧力を上回った。
米国の株式市場が上昇しても下落してもドル円のこう着相場が続く要因は、米長期金利(以下では米金利)の動向にある。
]8月以降、景気の回復期待を背景に米金利は緩やかな上昇トレンドへ転じている。この過程で、ドル円と米金利との相関性が徐々に強まる展開となった。しかし11月以降の米金利は、節目の1%手前でキャップされる状況が続いている。
米金利の上昇が抑制されていることで、米国の実質金利は11月以降、再び低下基調へ転じている。このような米金利の動向を受け、ドル円は世界的な米ドル安の圧力に直面している。このため株高の局面では、下値をトライする状況が見られる。
一方、株安の局面では、昨日のようにドル買いと円買いの圧力がぶつかり合うことで、これまたこう着相場の状況に陥ってしまう。
米金利が1%の水準を突破しない限り、調整の米ドル買いは見られても、『トレンドの軸は米ドル安』という展開が続くと予想する。
米国金利の動向
ドル円のチャートポイント
コロナリスクが意識されている状況を考えるならば、今日のドル円も『ドル買いvs円買い』のぶつかり合いが予想される。
ドル買いの圧力が円買いの圧力を上回る局面では、17日以降上値を抑制している103.90の突破が焦点となろう。この水準を突破する場合は、104円台への上昇を意識する展開となろう。
104円台へ上昇する場合は、104.15レベルの攻防に注目したい。この水準は、先週15日に上値を抑制した経緯がある。なお、104.00には売りのオーダーが観測されている。
一方、円買いの圧力がドル買いの圧力を上回る場合は、ドル円の反落を想定したい。
下値の焦点は103.25レベルの攻防となろう。102円割れ後は、この水準でサポートされる展開が見られる。
103.20台を完全に下方ブレイクする展開となれば、2度目の103円割れを意識したい。株高のみのリスク選好相場でも、同じようにドル円の反落を想定したい。
ドル円のチャート
ポンドドルのチャートポイント
英国の経済は、変異種コロナのリスクに直面している。また、EUとの通商協議で未だに決着が見られない状況や、市場参加者の短期的な予測を反映するリスクリバーサルが依然として低下基調にあることも考えるならば、本日のポンドドルも軟調地合いを想定したい。
下値の焦点は、22日のレポートでも指摘したフィボナッチ・リトレースメントの38.20%(1.3260)と50.0%(1.3148)となろう。英国・EU間の通商協議で合意の可能性が遠のくとのヘッドラインが流れる場合は、上のテクニカルポイントを視野にポンド売り圧力が高まると予想する。
一方、通商協議で合意に向けた進展が見られるならば、ポンド買いの圧力が高まろう。このケースでは、昨日の高値1.3469の突破と1.35のトライを想定したい。
ポンドドルのチャート
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