米ドル安vs円安 勝負の行方は?
FEDの超金融緩和政策が導入されて以降、株高局面の外為市場では「米ドルvs円安」の戦いとなっています。では、この戦いは将来どのような展開となるのでしょうか?今日はこの点ついて考えてみました。詳細はマーケットレポートにて。
株高局面での「米ドル安vs円安」
7日の主要な欧米株式は総じて上昇した。株高局面の外為市場では円安優勢-これが2006年以降続いているトレンドパターンである。昨日のパフォーマンスを確認すると、日本円はブラジルレアル以外で総じて円安に振れている。しかし、ドル円のパフォーマンスを確認すると、ほぼ横ばい水準となっている。これは円安と同時に米ドル安の圧力が高まったことを意味している。現在のリスク選好相場で注視すべきはこの点にある。これまでならば「株高→円安→ドル円上昇」と単純に考えれば良かった。しかし、現在は「株高→米ドル安vs円安→レンジ相場」という状況も考えなければならない。
円相場のパフォーマンス
FEDには逆らうな
ポイントは、「米ドルvs円安」が今後どのような展開となるのか?この点にある。この答えを探る上で重要なヒントとなるのが、世界金融危機以降(2009年以降)、FEDが実施してきた量的緩和とドル円の反応である。
以下のチャートは、FEDの量的緩和と円ドル(JPY/USD)の動向を比較したチャートである。世界金融危機のショックから立ち直るため、当時のFEDは持続的な量的緩和政策を決定した(いわゆるQE1~3)。大量の資産購入に伴いFEDのバランスシートが急速に拡大していったことがわかる。それは大量の米ドルを市場に投入した結果でもあった。ではこの当時、円ドル(JPY/USD)はどのような展開となったのか?以下のチャートでは日本円をベースカレンシーとしているが(故にJPY/USD)、FEDのバランスシート拡大に伴い「円高/米ドル安」が急速に進行していったことがわかる。2009年3月以降、米株は現在に続く株高局面へ転じたが、外為市場では米ドル安が進行していたわけである。
FEDのバランスシートと円/米ドルの動向
そして現在。FEDは当時の量的緩和を超える政策を投入している。故に米株は経済指標が軒並み落ち込む状況でも堅調地合いを維持している。現在の米株は「FEDには逆らうな」という相場である。そして今後、それは外為市場にも当てはまることになると筆者は考えている。事実、昨日のような株高局面でもドル円は106.65レベルで上値が抑制された。
本日も106円台を中心とした攻防が予想されるが、4月雇用統計の内容次第では米株が大幅に反落する可能性がある。その場合、円高圧力が米ドル高圧力を上回り105円台へ下落する展開を意識したい。105円台で最も注視すべき下値のポイントは、7日のレポート「リスク回避の再来を警戒」で指摘したフィボナッチ・リトレースメント61.80%の水準にあたる105.20レベルとなろう。105.00にはビッドが観測されている。
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