リンクする米株高と米ドル安
米株はコロナショック後の反発からブルトレンドへ転じています。一方、株高の局面では米ドル安圧力が高まっています。つまり現在は、米株高と米ドル安がリンクする相場環境にある、ということです。その理由は?株高の調整要因は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米株は調整の反発からブルトレンドへ
26日の米国株式市場(以下米株)は、主要3指数が上昇した。S&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、24%台まで低下している。2017年にトランプ米政権が誕生して以降、2020年2月まで米株は史上最高値を更新し続けてきた。その過程でボラティリティは30%の水準を上限とした安定ゾーンを形成した。米中貿易摩擦やFEDの性急な利上げリスクによってボラティリティが上昇する局面は何度かあった。しかし、30%の水準を一気に突破する局面は、コロナショックが発生するまで一度もなかった。その安定ゾーンへとボラティリティは再び低下している。30%以上の水準で推移する状況ならば、米株はコロナショック後の反動による調整、と考えることもできるだろう。しかし、30%以下の水準まで低下している現在の状況は、投資家の心理が改善から強気へ転じたことを示している。予想EPSやPERの水準と比較する場合、「株価の水準は高すぎる」という意見は正しい。しかし市場に参加する以上、最も重視すべきは「トレンドに乗る」ことである。ボラティリティの状況を重視するならば、米株はブルトレンドへ転じている。コロナショック第2波、または冴えない指標データや企業決算がきっかけとなり「実体経済とかけ離れた株高」が市場のメインテーマとならない限り、米株は調整の反落を挟みながブルトレンドを維持すると予想する。
S&P500の動向
FEDの無制限緩和 → 米株高 → 米ドル安
米株高の継続をベースシナリオに据える場合、外為市場では米ドル安優勢を予想する。事実、昨日の米ドル相場は対主要通貨で売られる展開となった。米株の上昇と米ドルの下落がリンクしている主因は、FEDの無制限緩和にある。大量の米ドルが金融市場に供給され、それが株式市場に流れ込むと同時に、量が急増した米ドルの価値には減価の圧力が高まっているわけである。よって、無制限緩和が解除されない限り、基本的に「米株高 → 米ドル安」の展開は続こう。
米ドル相場のパフォーマンス
しかし、一方向に振れる続ける相場は存在しない。常に調整要因には注視すべきである。目先は、米中の対立が調整の口実として使われる可能性があろう。安倍政権は華為技術(ファーウェイ)を念頭に、中国製通信機器の排除拡大に向けて動きだした、との報道がある。中国への規制を強化する米国と歩調を合わせてきたということは、トランプ米政権の対中政策が他国を巻き込んで今後強化していく可能性が高いことを示唆している。米中対立が意識される場合、ナスダック100に採用されているハイテク株を中心に調整圧力が高まることが予想される。このケースでは、リスク回避の米ドル買い圧力が高まろう。対照的に豪ドルやNZドル、そしてアジア通貨には売り圧力が高まろう。
株安局面でのドル円は「米ドル高vs円高」の戦いとなろう。FEDが無制限緩和を導入して以降、円高優勢で推移する局面が見られる。株高でも108.00前後の突破に四苦八苦している状況も考えるならば、「株安→円高→ドル円の下落」を予想する。この場合、目先の焦点は107円台の維持となろう。106円台の攻防へシフトする場合は、5月中旬に相場をサポートした106.70レベルの維持が焦点となろう。107.00と106.80にはビッドが観測されている。
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