米ドル安のトレンドが加速 / ドル円とユーロドルのチャートポイントについて
今日のポイント:『外為市場では米ドル安が加速している。このトレンドは今後も続く。ドル円とユーロドルで注目すべきチャートポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル安のトレンドが加速
昨日の外為市場では、リスク選好を背景に米ドル安のトレンドが加速した。
ドル円はついに重要サポートポイントの104円を下方ブレイクする展開となった。
一方、ユーロドルは1.18台、豪ドル/米ドルは0.72台の水準をそれぞれ回復した。
米国大統領選挙の混迷を横目に、外為市場ではFEDの大規模な金融緩和政策を意識した状況が今後も続くだろう。
そのFEDは、昨日のFOMCでゼロ金利政策の維持を決定した。また、現在実施している月額1,200億ドル(国債800億ドル / 住宅ローン担保証券400億ドル)の資産買い入れペース(量的緩和政策)も維持した。
パウエルFRBはマイナス金利の導入について否定的である。
よって、新型コロナウイルスの感染が再拡大し景気回復の腰折れ懸念が高まれば、量的緩和の強化をしてくる可能性が高い。
もちろん市場もこの点は意識している。よって、米ドル相場は今後も米ドル安を軸としたトレンドが継続しよう。
ドル円の焦点は102円と104円の攻防
ドル円は、重要サポートポイントの104.00を完全に下方ブレイクした。テクニカル面ではディセンディング(下降)・トライアングルが形成されたことになる。
次の焦点は、104.00レベルがサポートポイントからレジスタンスポイントへ転換するかどうか?この点となろう。
政策相場による米ドル安に圧迫され104.00レベルの突破に失敗し続ける場合、ドル円の下落幅が拡大するシグナルとして捉えたい。このケースでは、102.00レベルのトライを想定しておきたい。
この水準は、コロナショックでグローバル市場が大混乱していた3月9日に示現した大陰線の終値(102.34)であり、かつ3月10日に示現した大陽線の安値(101.99)でもある。
一方、上値の焦点は104.00の攻防となろう。
104円台を回復する場合は、10日MA(今日現在104.34レベル)および21日MA(104.80レベル)の攻防に注目したい。大陰線が示現した昨日は、10日MAでドル円の上値が抑制された。また、先月21日に大陰線が示現した時は、21日MAで上値が抑制された経緯がある。
ドル円のチャート
ユーロドルは再び1.18後半の攻防が焦点に
ユーロドルは1.16台の維持に成功し、再び1.18台の水準を回復している。テクニカル面では一時的にせよ短期レジスタンスラインの突破に成功した。これらの状況はユーロドルの地合いの強さを示している。
本日の上値の焦点は、短期レジスタンスラインの完全な突破となろう。
米ドル安が加速している状況を考えるならば短期レジスタンスラインの突破に成功し、9月下旬と10月下旬に上値を抑制した1.1860-80レベルの攻防を想定したい。
このレジスタンスゾーンの突破に成功する場合、次の焦点は1.19台への上昇、そして1.1950レベルの攻防となろう。1.1950前後は、今年の8月下旬から9月1日に、ローソク足の実体ベースでユーロドルの上値を抑制し続けた経緯がある。
一方、下値の焦点は1.17台の維持となろう。
1.1700レベルは重要サポートポイントではなくなったが、直近高安のフィボナッチ・リトレースメントの水準を確認すると、1.17台に集中している。まずは38.20%の水準1.1761レベルでサポートされるかどうか?この点に注目したい。
ユーロドルのチャート
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