米ドル安優勢のトレンドは変わらず / RBAイベントと豪ドル相場への影響 / 豪ドル/米ドルのチャートポイント
今日のサマリー。米ドル安トレンドは変わらず。豪ドル相場の動向に注目。焦点はRBA(豪準備銀行)イベント。豪ドル/米ドルのチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米ドル安優勢のトレンドは変わらず
昨日の米国株式は、ナスダック総合指数が上昇する一方、ダウ平均とS&P500指数は利益確定の売りに圧され反落した。
一方、米長期金利は低下基調となった。
これらの動向を受け、米ドル相場に明確な方向感は見られなかった。
米株が反落しても日本円やNZドル、そして新興国通貨-南アランド、ブラジルレアル、メキシコペソそしてトルコリラに対して米ドル買い圧力が高まった以外は、総じて米ドルが売られた。
この状況を考えるならば、政策相場を背景とした米ドル安のトレンドに変化は見られない。
米ドル相場のパフォーマンス
RBAイベントと豪ドル相場への影響
本日は豪州の中銀イベントがある。
政策金利は0.25%の据え置き予想となっている。
焦点は豪準備銀行(以下ではRBA)が抱く景気の先行きにあろう。
いち早く政策相場(=株高 / 米ドル安)の流れに乗った豪ドル相場にとって目先のリスク要因は、最大の貿易相手国である中国との政治的な摩擦である。
今年に入り中国は、豪州産の食肉や農産物を中心に輸入規制を強化する措置を講じている。
最近では、豪州産のワインに対して反補助金の調査を実施している。
このような中国のスタンスは、豪州の実体経済にとってはマイナス要因である。
だが、豪州の二大輸出品目である石炭や鉄鋼の対中輸出は滞りなく続いている。
また、RBAが先月18日に公表した会合の議事要旨では豪州の景気回復が進んでいるとし、現時点で追加緩和の措置を実施する必要はない、との議論が交わされていたことが判明した。
政策相場が続き、かつ中国経済が順調に回復していることも考えるならば、RBAが景気の先行きについて警戒レベルを上げてくる可能性は低い。
よって、今回のRBAイベントが豪ドル相場にとってリスクイベントとなる可能性も低い。
豪ドル/米ドルのチャートポイント
昨日、豪ドルは対米ドルで0.74台の水準(高値0.7402)へと上昇する局面が見られた。
上で述べたとおり、政策相場が続いていること、中国の経済が順調に回復していること、そして豪州国内の経済も回復基調にあることを考えるならば、豪ドル/米ドルは上昇トレンドを維持すると予想する。
0.74台での焦点は、2018年の7月から8月にかけて上値を抑制し続けた0.7450-60のゾーンを突破できるかどうか?この点にあろう。
この年の8月9日に0.7453で上値が抑制されると、その後下落トレンドを形成した経緯がある。
0.7450-60のゾーンを突破する場合、次の焦点は0.7500のトライおよびブレイクとなろう。
テクニカル面での最大の焦点は、フィボナッチ・プロジェクションの161.80%の水準にあたる0.7630レベルである。
豪ドル/米ドルのチャート
一方、下値の焦点は、8月に入り相場をサポートし続けている0.71台の維持となろう。先月3日の安値0.7074を起点とした短期サポートラインのブレイクは、0.7100トライのシグナルとして捉えたい。このラインは今日現在、0.7170レベルで推移している。
豪ドル/米ドルのチャート
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