米ドル安のトレンドが加速 ユーロドルは新たな局面へシフト / ドル円は米金利にらみの展開が続く
今日のポイント:『米ドル安が加速。今後、このトレンドが加速する可能性あり。ユーロドルは新たな局面へシフト。ドル円は米金利にらみの展開が続く』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利上昇でも加速する米ドル安のトレンド
昨日の外為市場では、リスク選好相場を背景に米ドル安優勢の展開となった。
米長期金利(以下では米金利)が0.9%台の水準へ上昇しても米ドル安となった事実は、外為市場で米ドル安のトレンドがさらに加速する可能性を示唆している。
米ドル相場のパフォーマンスチャート
ユーロドルは新たな局面へシフト
米ドル安のトレンドがさらに加速する可能性を示唆しているのが、ユーロドルである。
昨日は、重要レジスタンスポイントとして意識されてきた節目の1.20をあっけなく突破すると、高値1.2076まで上昇する局面が見られた。
1.19台の維持に成功していることも考えるならば、ユーロドルは新たな局面へシフトしたと判断したい。
今年の夏以降、ユーロドルの上値を抑制してきた1.19レベルがレジスタンスポイントからサポートポイントへ転換している現状を考えると、新たなレンジの下限としてこの水準(1.1900)を想定したい。
よって、目先の焦点は、新たな上値の水準にある。
2017年以降の動向からその候補となり得る水準を考えると、目先は、フィボナッチ・リトレースメント76.40%の水準1.2100レベルが浮上する。
だが、米金利が上昇しても米ドル安のトレンドが加速している現状を考えるならば、1.21レベルは単なる通過点となる可能性が高いだろう。
1.21台にしっかり乗せてくるようだと、次の焦点は、2018年の上旬に上値を抑制した1.2500前後まで上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。
FEDの金融緩和政策が長期化(ゼロ金利政策は2023年末まで継続)することを考えるならば、2017年の安値(1.0339)、2018年の高値(1.2556)そして2020年の安値(1.0634)から計算されたフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準1.2850レベルまで上昇する可能性も考慮しておきたい。
ユーロドルのチャート
ドル円は米金利にらみの展開が続く
上のパフォーマンスチャートを確認すると、ドル円は『米ドル安vs円安』の戦いとなっていることがわかる。
米ドルのトレンドが加速してもドル円だけが横ばいで推移した事実は、米金利の上昇によってサポートされたことを示している。よって、今日もドル円のトレンドは米金利の動向に左右されよう。
景気の回復期待を背景に米金利の上昇基調が続く場合は、11月24日の戻り高値104.75レベルの突破が焦点となろう。
この水準を突破する場合は、7月以降、ドル円の上値を抑制し続けている短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。このラインは今日現在、104.97レベルで推移している。なお、104.60から104.80にかけてはオファーが観測されている。
一方、下値の焦点は104.00レベルの攻防となろう。この水準には短期サポートラインが推移している。
このラインを下方ブレイクする場合は、昨日のレポート『ドル円の焦点は短期レジスタンスラインの攻防』の項目で指摘したとおり、103.65レベルが次の焦点として浮上しよう。103.70と103.50にはビッドの観測あり。
ドル円のチャート
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