ワクチン開発期待で米金利は上昇基調を維持 / ドル円とポンド相場のチャートポイントについて
今日のポイント:『ワクチン開発と景気回帰の期待を背景に米金利は上昇基調を維持。ドル円は短期レジスタンスラインの攻防が焦点。ポンド相場の注目ポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ワクチン開発期待で米金利は上昇基調を維持
現在の米ドル相場は、株式市場よりも米債市場にらみの展開となっている。
その米債市場では、コロナワクチンの開発期待を背景に金利の上昇基調が続いている。
10年債利回りと2年債利回りの格差(イールド・スプレッド)を確認すると、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りがFEDの超金融緩和政策によって低空飛行の状態を維持する一方、10年債利回りが上昇基調にあることで右肩上がり(スティープ化)となっている。この状況は、米債市場で将来の景気回復が意識されていることを示唆している。
各報道を見る限り、コロナワクチンの供給についてはまだクリアすべきハードルがあるようだが、開発が進展すれば景気の回復期待がさらに高まることで、米長期金利はしばらく上昇基調を維持する可能性がある。
米金利の上昇は米ドル買いの要因として捉えておきたい。
米長期金利のチャート
ドル円の焦点は短期レジスタンスラインの攻防
米国市場で株高と金利の上昇が続いていることを受け、ドル円は105円前半で底堅い展開となっている。
その一方で、108.16(7/1高値)を起点とした短期レジスタンスラインで上値が抑制されている。『株高/米金利の上昇』の局面でもこのラインすら突破できない状況が続けば、ドル円は再び103円台を目指す展開を意識したい。
逆に短期レジスタンスライン(105.37レベル)を上方ブレイクする場合は、さらに上値を目指すシグナルと捉えたい。このケースでは106円台への再上昇と、10月の上旬に相場の戻りを抑制した106.10レベルの攻防に注目したい。
一方、今日の下値の焦点は、昨日相場をサポートした21日MAの維持となろう。このMAは今日現在、104.77レベルで推移している。
ドル円のチャート
上昇基調を維持するポンド相場
欧州通貨では、英ポンド相場(以下ではポンド)が堅調地合いを維持している。英上院で9日、EUとの取り決めをほごにする条項の削除を賛成多数で承認されたことでEUとの交渉が順調に進むとの期待、そしてユーロ売りや円売りがポンド相場をサポートしている。
ユーロポンドの動向を見ると、ユーロ売り/ポンド買いによってトライアングルの下限を完全に下方ブレイクする展開となっている。
対照的にポンド円は『株高→円安』を背景にトライアングルの上限を完全にブレイクしている。
これらの動向を受け、ポンドドルは1.31台の維持に成功し、9月の上昇を抑制した1.35レベルを視野に上昇基調を維持している。
今日はバンドの上限が推移している1.3330台の攻防となるかどうか?この点に注目したい。
このラインをブレイクする場合は、1.34レベルを視野に上昇幅の拡大を想定したい。
一方、下値の焦点は1.31台の維持となろう。
ユーロポンドとポンド円のチャート
ポンドドルのチャート
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