米株の上昇トレンドはもうしばらく続く / ドル円は「米株高→ドル円の下落」というトレンドパターンが鮮明に
今日のサマリー。米株はもうしばらく上昇トレンドを維持する。米株高が続く限り米ドル安のトレンドも続く。ドル円は「株高で下落」というトレンドとなっている。目先のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米株の上昇トレンドはもうしばらく続く
7月に入り株高、特に米株高のトレンドが加速し、それに伴い外為市場では米ドル安のトレンドがより鮮明となっている。
FEDの超金融緩和政策により米債券市場は市場としての機能を失っている。
このため米ドル相場のトレンドは株式、特に米株の動向に左右される状況が続いている。
その米株は今後も上昇トレンドを維持するのか?この点をボラティリティの観点から考えると、上昇トレンドを維持すると筆者は予想している。
S&P500指数のボラティリティ(20日間の標準偏差を年率換算した値)を確認すると、12%台で推移している。
2017年にトランプ米政権が発足して以降、米中の対立リスクやFEDの利上げリスクに直面しながらも、ボラティリティは6%-30%のレンジ内、いわゆる安定ゾーンで推移していた。
今年の3月にコロナショックで90%台まで急騰したが、米景気刺激策への期待が投資家の不安心理を急速に後退させ、ボラティリティは再び安定ゾーンへと戻っている。
レンジの下限6%の水準まで低下すると、今度はボラティリティの急上昇リスクを意識する必要がある。
しかし、現在はまだそのような状況に至っていない。
よって米株は、もうしばらく上昇トレンドが続くと予想する。
米株の動向
ドル円は「米株高→ドル円の下落」というトレンドパターンが鮮明に
「米株トレンドの加速 → 米ドル安トレンドの加速」のあおりを受け、現在のドル円は「株高 → 下落」というトレンドとなっている。
事実、昨日も米株が上昇すると、ドル円は106.20レベルで上値が抑制され、105.60台まで下落した。
現在のドル円の焦点は、新たなレジスタンスポイントの水準を見極めることにある。
106円をはさんだ攻防を見る限りでは、106.20もしくは106.50レベルが新たな候補として浮上している。
米株が反落する場合、ドル円は米ドルの買戻しによって反発しよう。
その際、上2つの水準で上値が何度も抑制されるかどうか?ここ数日はこの点を注視したい。
ドル円のチャート
一方、下値の焦点は104円台の維持で変わらず。
先月31日につけた安値104.17の下方ブレイクは、104.00をトライするシグナルとして想定したい。
1週間の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が低下基調にあることを考えるならば、「株高→米ドル安」のトレンドが続いても、今週中に104円台を一気に下方ブレイクする可能性は低いと予想する。
ドル円の予想変動率
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