米国のインフレ動向と欧州通貨の焦点
今回のレポートは米国のインフレ指標と欧州通貨にフォーカスした内容です。前者のインフレについては各インフレデータとの関係性について考えてみました。一方、欧州通貨の焦点は反発基調の維持にあると考えます。詳細はマーケットレポートにて。
米国のインフレ指標について
15日の海外外為市優勢の展開となった。この日、米中両国は通商交渉「第1段階」で正式に署名した。これ自体は市場で織り込まれていたこともあり、米ドル相場の反応は限定的だった。昨日、米ドル売り要因となったのはインフレ指標だった。食品とエネルギーを除く12月の生産者物価コア指数(=生産者の出荷時点での価格を対象とした物価指数、以下コアPPI)は、前年同期比で1.1%と、市場予想の1.3%を下回る結果となった。コアPPIは2019年以降、低下基調にある。このインフレ指標は消費者物価指数(場は米ドル売りCPI)との相関性は高くないが、FEDが重要インフレ指標として注視しているコアPCEとの相関性は高い。PPIが低下基調にあるということは、コアPCEが物価目標の2.0%付近まで上昇する可能性が低下することを示唆している。実際、この日の米債市場では、金融政策のトレンドに反応しやすい2年債利回りは低下した。10年債利回りも1.8%台の水準を割り込み、1.780%まで低下する局面が見られた。通商リスクが後退している状況下で金利の上昇幅までが抑制されているとなれば、米ドル買いが散見されてもそれがトレンド化する可能性は低いだろう。
各インフレ指標間の相関関係
※左チャート:コアPPI(横軸)とコアPCE(縦軸)
※右チャート:コアPPI(横軸)とコアCPI(縦軸)
反発基調の欧州通貨
本日は、再び反発ムードが出始めている欧州通貨の動向(対米ドルの動向)に注目したい。ユーロドルは昨日21日MA(1.1138前後)をローソク足の実体ベースで突破した。昨日のレポート「ドル円110円割れの要因と短期的な円相場の見通し」の中で指摘したインプライド・ボラティリティの状況(4%台での低空飛行)を考えるならば、上昇トレンドが加速する可能性は低い。だが、リスクリバーサルが上昇基調へ転じていることを考えるならば、今日は1.12を視野に緩やかな反発基調を維持すると予想する。1.12ブレイクとなれば、2019年高値1.1570を起点とした短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。このラインは今日現在、1.1220前後で推移している。1.1170、1.1180および1.1200にはそれぞれオファーが観測されている。一方、下値の焦点は21日MAがサポートラインとして意識されるかどうか、そして1.11台を維持できるかどうか、これらの点が焦点となろう。1.1100にはビッドの観測あり。
一方、ポンドドルは再び1.29台の維持に成功している。ユーロドルと同じく低ボラティリティの状況を考えるならば急上昇する可能性は低いが、今日は21日MA(1.3065レベル)の突破を予想する。これに成功する場合、明日以降1.32レベルまで上昇するかどうか、この点が焦点となろう。1.3100および1.3200にはそれぞれオファーが観測されている。一方、1.2950から1.2920にかけては断続的にビッドが観測されている。重要サポート1.2900にもビッドの観測あり。
ユーロドルのチャートポイント
ポンドドルのチャートポイント
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