米金利の反発は一服 ドル円の上昇も一服、分岐点にある豪ドル/米ドル、豪ドル円のチャートポイント
今日のポイント:『ドル円の上昇は米金利の動向次第。豪ドル/米ドルはテクニカルラインで上値の重い展開となっている。トレンドの転換に要注意。豪ドル円のチャートポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の反発は一服 ドル円の上昇も一服
昨日の外為市場は、世界的な株高を受け米ドル安優勢の展開となるも、大きな値動きは見られなかった。
円安の圧力も同時に高まったが、米長期金利(以下では米金利)の反発が一服したことで、ドル円は106.00を挟みこう着した相場となった。
株高局面での米金利の上昇は『米ドルvs円安』の拮抗した戦いを崩す要因になると、8日のレポート『低下圧力が後退する米金利とドル円の関係』の項目で指摘した。
昨日のこう着相場も含め10月以降の相場は、米金利の動向がドル円の上昇の鍵を握っていることをあらためて示したと言える。
ドル円と米長期金利のチャート
分岐点にある豪ドル/米ドル
このレポートでは、豪ドル相場が株式市場と最も連動性が高いと指摘し続けてきた。事実、昨日は世界的な株高を背景に、豪ドルは対米ドルでも対円でも上昇した。株高、特に米株高が続く限り、この状況は続くだろう。
だがチャートを確認すると、豪ドル/米ドルの方はトレンドの分岐点にあることがわかる。
まず注目したいのが、21日MA(0.7180レベル)で上値が抑制されていることである。すぐ上の水準には短期のレジスタンスラインが推移しているが、株高局面が続いても21日MAすら突破できずにいる状況が続けば、市場参加者に豪ドル/米ドルの地合いの弱さを印象付けよう。
また、21日MAの突破に成功しても、短期レジスタンスラインで上値が抑制されるならば、豪ドル/米ドルのトレンド転換-すなわち上昇トレンドから下落トレンドへ転換するシグナルとなり得る。
本日も21日MAの攻防を注視し、株高局面の中でもこのMAの突破に失敗し続けるならば、来週以降は下値をトライする展開を想定しておきたい。このケースでの焦点は0.70台の維持となろう。
今月6日および7日に相場をサポートした0.7090台の下方ブレイクは、0.70トライのシグナルとして警戒しておきたい。
豪ドル/米ドルのチャート
豪ドル円のチャートポイント
一方、豪ドル円だが、現在は76.00前後での攻防となっている。
上値は重くなっているものの、豪ドル/米ドルが堅調地合いを維持していること、そしてドル円が106円台へ上昇していることで、昨日は21日MAの突破に成功した。また、短期レジスタンスラインも突破してきた。
豪ドル/米ドルがテクニカルラインで上値の重い展開になっていることを考えるならば、ドル円が豪ドル円のトレンドを左右する可能性がある。
そのドル円は、米金利の動向に左右される展開となっている。このため豪ドル円は、株式だけでなく米金利の動向にも注視する必要があろう。
株高と米金利の反発が同時に発生する場合は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準をレジスタンスのポイントとして想定したい。
目先は50.0%の水準76.19レベルの突破が焦点となろう。今月6日に豪ドル円はこの水準をトライするも突破に失敗している。
50.0%の突破に成功する場合、次のターゲットは61.80%の水準76.72レベルとなろう。この水準は、先月の17日と18日に豪ドル円の上値を抑制した経緯がある。
豪ドル円のチャート
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