新型コロナの感染拡大と米金利について / ドル円と豪ドル米ドルのチャートポイントについて
今日のポイント:『コロナリスクの再燃が米金利の上昇圧力を後退させる要因に。ドル円は、引き続き短期レジスタンスラインの攻防が焦点。豪ドル/米ドルは0.73レベルの攻防が焦点』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
新型コロナの感染拡大と米金利について
昨日の米国市場は、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念され『株安/金利低下』という典型的なリスク回避の相場となった。
外為市場では、円買いの圧力が高まる展開となった。
米ドル相場も総じて買い優勢の展開となったが全面高とはならず、対円、スイスフランそしてユーロで下落した。
一部の通貨で下落した要因のひとつが、米長期金利(以下では米金利)の低下と考えられる。
昨日の動向を確認すると、(米金利は)0.96%台から0.88%台まで低下した。12日のレポートの『米金利の上昇とFEDの動向』の項目では、FEDによる金融緩和政策の長期化が米金利の上昇を抑制する要因と指摘した。
しかし目先は、新型コロナの感染拡大が米金利の上昇を抑制する要因となろう。この状況が続けば、景気回復の腰折れ懸念とFEDによる金融緩和政策の強化を市場に意識させるからだ。
長短の金利差(イールドスプレッド)は右肩上がり(スティープ化)となっている。これは、米債市場で景気の回復が意識されていることを示唆している。
よって現在は、景気の腰折れ懸念の方が、米金利の低下圧力を高める要因になり得ることを意識しておきたい。
米長期金利のチャート
短期レジスタンスラインの攻防が続くドル円
ドル円は、引き続き短期レジスタンスラインの攻防が焦点となろう。
ローソク足の上ヒゲで何度かこのラインを突破する局面は見られたが、ローソク足の実体での突破には失敗し続けている。
105円台で底堅い状況を考えるならば反発の圧力は根強い。新型コロナのワクチン開発報道等で、本日の米国市場が『株高 / 米金利上昇』の展開となれば、このラインを突破する展開が予想される。
それに成功する場合、次の焦点はローソク足の実体ベースで105.60レベルを突破できるかどうか?この点となろう。
この水準をも完全に突破すれば、106.00を視野に上昇幅の拡大を予想する。9月上旬以降の動きを考えるならば、106.00前後で上値が抑制される展開を想定しておきたい。
一方、コロナリスクが意識される場合は、米金利の低下圧力を高めよう。よって、下値トライを警戒したい。
104円台の攻防へシフトする場合、21日MA(今日現在104.76前後)の維持が最初の焦点となろう。
このMAを下抜ける場合は、フィボナッチ・リトレースメントの50.0%(104.42)および61.80%(104.12)の各水準での攻防を注視したい。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドルは予想通り0.73で反落
昨日のレポートで取り上げた豪ドル/米ドルだが、予想通り0.73レベルがレジスタンスラインとして意識され反落する展開となっている。
欧米で新型コロナの感染リスクが再燃している状況を考えるならば、豪ドル相場のトレンドを左右する株式市場は続落する可能性がある。
このケースでは、豪ドル/米ドルの下落幅の拡大を想定したい。
本日は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準をサポートポイントと想定したい。特に50.0%の水準(0.7164)と61.80%の水準(0.7123)の攻防に注目したい。
一方、上値の焦点は0.73レベルの攻防となろう。コロナリスクを後退させる要因により0.7280台の水準まで上昇する場合は、反落リスクを警戒したい。
豪ドル/米ドルのチャート
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