株式よりも金利の動向に反応する米ドル相場 / 米国市場にらみのユーロドル / 「株高/米金利の上昇」ならばドル円は107円トライ
今日のサマリー。FEDが金融緩和政策の新たな方針を示すも米金利は反発。米ドル相場は米金利の反発に反応する地合いとなっている。米金利が現在のトレンドを維持する場合、ユーロドルとドル円の焦点は?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
株式よりも金利の動向に反応する米ドル相場
昨日の米国株式は、ナスダック総合指数が反落する一方、S&P500指数は5営業日連続で最高値を更新した。
また、ダウ平均は28,492.27と、約半年ぶりの高値で終えた。
米株高の要因はパウエルFRB議長が金融政策について新たな方針を示したことだったが、これに対して米長期金利(以下米金利)の反応は薄く、むしろ反発した。
FEDが今回示した新たな方針で注目すべきは「期間平均で2%」という物価目標を示したことだろう。
2%という明確な到達点ではなく、「期間平均」という柔軟性を持たせることで、金融緩和政策が長期化することを市場に発信してきた。
FRBの新たな方針は、本来であれば米金利の低下圧力を高める要因である。
しかし実際の市場は、上で述べたように金利は反発した。
チャートを確認すると、4月以降、レンジの上限として意識される場面が多く見られた0.75%を突破する展開となっている。
米債券市場が調整相場にあることを考えるならば、米ドル相場は株高トレンドよりも金利の反発の方に反応しよう。
事実、昨日はそのような展開となり、8月上旬の米金利反発の局面でも、米ドルは日本円やユーロで上昇した。
米長期金利と米ドル相場の動向
米国市場にらみのユーロドル
本日は、FEDが物価の指標としている個人消費支出(7月、PCE)が発表される。
注目すべきはコア指数(食品とエネルギー除く)だが、予想値は前月比で0.5%、前年同期比で1.2%となっている。
市場予想を上回る内容となれば、米債券市場では調整相場(=金利の反発)の継続が予想される。
米金利が反発基調を維持する場合、1.1900レベルで再び上値が抑制されているユーロドルは下値トライを予想する。
このケースでの焦点は、今月21日以降サポートのポイントとして意識されている1.1750レベルの維持となろう。
この水準にはビッドが観測されている。
米金利の上昇と株高の調整(反落)が同時に発生する場合は、1.1750のブレイクと1.1700トライの展開を想定したい。1.1700にもビッドの観測あり。
一方、コアPCEが市場予想を下回る場合は、政策期待を背景とした株高の維持と金利の低下が予想される。
このケースでは1.1900トライが焦点となろう。1.1900にはオファーが観測されている。
ユーロドルのチャート
「株高/米金利の上昇」ならばドル円は107円トライ
一方、ドル円も米国市場にらみの展開となろう。
昨日は米株高と金利の反発が同時に発生したことで106.70台まで上昇する局面が見られた。
8月上旬の動向を考えるならば、本日の米国市場でも「米株高/金利の反発」が同時に発生する場合、107円のトライを予想する。
107.00にはオファーが観測されている。
一方、政策相場(米株高/金利の低下)のケースでは、105円台への反落を予想する。
下値の焦点は105.70および昨日相場をサポートした105.60の維持となろう。
105.60にはビッドの観測あり。
ドル円のチャート
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