米金利の低下に連動する米ドル相場 / ドル円と豪ドル米ドルのチャートポイント
今日のポイント:『FEDの金融緩和継続スタンスを受け米金利は低下基調にある。この動きに連動し米ドル相場は下落基調へ転じている。ドル円と豪ドル/米ドルのチャートポイントは?』詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利の低下に連動する米ドル相場
米連邦準備理事会(FRB)が7日に公表した3月16-17日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、先行きの不確実性に対応するため、現行の金融緩和政策を維持する方針で一致したことが判明。市場が注目していた早期のテーパリング観測が後退した。
また、昨日パウエルFRB議長はインフレについて『一時的』とし、インフレ圧力を抑制する手段を持っていると発言。
FOMC議事要旨とパウエル発言を受け、直近の米長期金利(以下では米金利)は1.61%台まで低下している。
米金利は米ドル相場のトレンド決定要因である。この点は、米ドル相場のトレンドを示すドルインデックスの動向が示している。先月の31日以降、米金利は低下基調へ転じているが、この動きに連動するようにドルインデックスも下落基調へと転じている。この順相関の関係を考えるならば、米金利の上昇が抑制されている間は、米ドル安優勢の展開が続こう。
米長期金利とドルインデックスのチャート
ドル円のチャートポイント
市場参加者の短期的な思惑を反映するリスクリバーサル(1週間)は、引き続き米ドル安予想となっている。
この予想に沿ってドル円は昨日、21日MA(109.48)と109.30レベルを下方ブレイクした。現状、かろうじて109円台の維持には成功しているが、米金利の低下が続くならば、108円台へ反落する可能性が出てきた。
108円台の攻防となる場合、3月にドル円をサポートし続けた108.30レベルをトライするかどうか?この点に注目したい。昨日の下落を止めたフィボナッチ・リトレースメント23.60%の水準108.98の下方ブレイクは、108.30トライのシグナルの一つと捉えたい。
一方、米金利が反発する場合は、21日MAがサポートラインからレジスタンスラインへ転換するかどうか?この点を確認したい。21日MAで上値が抑制されるならば、こちらも108.30トライのシグナルと想定したい。
21日MAをあっさりと上抜ける場合は、今週7-8日にドル円の上値を抑制した109.90レベルのトライが焦点となろう。
ドル円のチャート
豪ドル/米ドルのチャートポイント
現在の米国市場は、米金利が低下すると同時に米株(S&P500指数)が連日最高値を更新する状況となっている。
米ドル安を受け、国際商品市況のトレンドを示すCRB指数も183ポイントの水準で底打ち感が出始めている。これらの状況を考えると、株高と資源価格の上昇の恩恵を受ける豪ドル相場が再び上昇する可能性がある。
豪ドル/米ドル(AUD/USD)の動向を確認すると、0.7560レベルで底打ちし短期サポートラインが形成されている。
しかし、21日MA(今日現在0.7666レベル)で上値が抑制されている。このMAはフィボナッチ・プロジェクション61.80%の水準(0.7673)とクロスしている。目先は、これらテクニカルポイントの突破が焦点となるだろう。
市場参加者の思惑をリスクリバーサルで確認すると、豪ドル高/米ドル安の予想となっている。実際の相場(AUD/USD)は米金利の動向に左右されるが、その金利の上昇圧力が抑制されていることを考えるならば、目先は上で述べたテクニカルポイントのブレイクを想定したい。
一方、米金利が反発する場合、もしくは株高の調整局面では、0.7560および今月1日の安値0.7530レベルの維持が焦点となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
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