ワクチン開発報道で米金利が再び反発基調へ 今週のドル円の焦点は? / レジスタンスのポイントが明確になってきたユーロドルと豪ドル/米ドル
今日のポイント:『コロナワクチンの開発期待を背景に米金利は再び反発ムードにある。米金利の動向次第でドル円、ユーロドルそして豪ドル/米ドルのトレンドが決定されよう。それぞれのレジスタンスポイントは?』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ワクチン開発報道で米金利が再び反発基調へ 今週のドル円の焦点は?
週明けの米国市場は、ワクチン開発への期待を背景に株高と長期金利(以下では米金利)の上昇が同時に発生するリスク選好相場となった。
米金利の上昇は米ドル相場をサポートし、この日の外為市場は米ドル高優勢で推移した。ドル円はNY時間の序盤に高値104.63まで上昇する展開が見られた。一方、ユーロドルは1.1905レベルで上値が抑制されると、安値1.1800まで下落する展開となった。
ドル円の日足ローソク足は大陽線となり、104円台を回復。『株高→円安』のトレンドが続いていることを考えるならば、ドル円がさらに上値を目指すかどうかは米金利の動向次第となろう。
その米金利は、ワクチン開発への期待を土台に再び反発ムードを強めている。
米株高と米金利の上昇が同時に発生する局面が続けば、ドル円は105円を視野に入れる展開となろう。このケースでの焦点は、短期レジスタンスラインの攻防となろう。このラインは今日現在、105.15前後で推移している。
短期レジスタンスラインを突破する場合は、今月上旬に相場の戻りを抑制した105.70レベルが次の焦点となろう。なお、105.00にはオファーが観測されている。
一方、下値の焦点は、先週の下落トレンドを止めた103.65レベルの維持が焦点となろう。103.60にはビッドの観測あり。
ドル円のチャート
レジスタンスのポイントが明確になってきたユーロドルと豪ドル/米ドル
ドル円と同じく、ユーロドルもレジスタンスのポイントが明確となってきた。そのポイントとは1.1900レベルである。
昨日は高値1.1905を付ける局面が見られた。しかし、あっけなく1.1800へと反落し、日足ローソク足は長い上ヒゲが示現しての陰線引けとなった。
9月以降、1.1900レベルで上値が抑制される状況が続いていることを考えるならば、米ドル安のみでは1.19レベルまでの上昇が限界ということだろう。よって、1.19以上の攻防となるためにはユーロ買いの要因が必要となってくる。
しかし、ユーロ圏の景気はコロナリスクの再燃により回復の基調が鈍化している。ECBも金融緩和政策を強化してくる可能性がある。これらの状況を考えるならば、目先ユーロ買い圧力が高まる可能性は低い。米金利の反発基調と対英ポンドでの下落トレンドも考えるならば、今週のユーロドルは1.19レベルで上値の重い展開を想定したい。
一方、目先の下値の焦点は21日MA(今日現在1.1792前後)の維持となろう。このMAを下方ブレイクする場合は、今月11日の安値1.1744レベルを次の焦点と想定したい。1.1740と1.1750にはビッドが観測されている。
ユーロドルのチャート
また、豪ドル/米ドルのレジスタンスポイントも明確になってきた。その水準は0.7340レベルである。
ユーロドルと同じく、豪ドル/米ドルは今年の9月以降、この水準で何度も上値が抑制される展開が続いている。直近も昨日を含めて3回ほど0.7340レベルまで上昇する局面が見られたが、すべてこの水準で反落する展開となっている。
株高トレンドが続いているにもかかわらず、豪ドル相場の上値が重くなってきた背景には米金利の上昇がある。
8月以降、米金利には徐々に反発の圧力が高まっているが、この動きと連動するように豪ドル/米ドルの上値は徐々に重くなっている。
ワクチン開発への期待で米金利が再び反発基調へ転じつつあることを考えるならば、今週の豪ドル/米ドルは引き続き0.7340レベルで上値が抑制される展開を想定したい。
一方、下値の焦点は、今月の中旬に相場をサポートした0.7220レベルの攻防となろう。
豪ドル/米ドルのチャート
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