株高の調整で米ドル買い ユーロドルのトレンドはEU首脳会議の内容次第 / 豪ドルもレジスタンスポイントでの攻防が続く
今日のサマリー。ユーロドルはEU首脳会議の動向次第で今後のトレンドが左右される。豪ドルは中国経済の動向が今後の焦点。株高のみでは0.70前後までの上昇が限界(対米ドル)。今日のチャートポイントは?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
株高の調整で米ドル買い ユーロドルのトレンドはEU首脳会議の内容次第
昨日の米国株式市場は、これまで株高をけん引してきたハイテク株の利益確定売りにより、主要3指数が総じて反落する展開となった。
株式にらみの状況が続いている外為市場では、米ドル買い優勢となった。
今週、このレポートで注目してきたユーロドルは1.14台の維持に失敗。
「株高→米ドル安」のみでは、1.14レベルまでの上昇が限界であることが、あらためて確認できた。
1.14台の維持と1.15レベルのトライは、今日から開催される臨時のEU首脳会議の結果次第となろう。
復興基金の合意、またはそれに近いかたちで決着するならば、再びユーロ買い圧力が高まろう。
まずは15日高値1.1451の突破が焦点となるが、この水準の上方ブレイクは1.15トライのシグナルと想定したい。
逆にEU首脳会議の内容が市場の失望を誘う内容となれば、レンジの下限1.1160レベルを視野に下落幅の拡大を予想する。
今月7-10日に相場をサポートした21日MAの下方ブレイクは、1.12ブレイクのシグナルとして警戒したい。
このMAは今日現在、1.1287レベルで推移している。
ユーロドルのチャート
豪ドルもレジスタンスポイントでの攻防が続く
ユーロ以上に株式市場との連動性が高まっている豪ドルは、対米ドルでレンジ相場の状況が続いている。
目先の焦点は0.70レベルの攻防だが、「株高→米ドル安」の状況が続いても、0.70台の維持に失敗し続けている。
この事実は、ユーロドルと同じく株高を背景とした米ドル安のみでは、これ以上の上値トライの可能性が低いことを示唆している。
ユーロドルは、復興基金の合意がさらなる上値トライの材料となり得る。
では、豪ドルが対米ドルで0.70台を維持し、さらに上値トライとなるにはどのような材料が必要か?
それは、中国経済の回復だと筆者は考えている。同国の経済回復は、資源の需要が拡大するとの観測を高める。
豪輸出の二大品目は石炭と鉄鉱石であり、最大の輸出先は依然として中国(2018年時点で34%)である。
現在の両国関係は緊張状態にあるが、長年培ってきた貿易の体制が短期間で変わるわけではない。
株高という前提条件をクリアしている状態で、今後発表される中国の指標データが総じて市場予想を上回り続けるならば、豪ドルは対米ドルで0.70レベルをトライしよう。
逆に株高の調整と冴えない中国の指標データの内容が合わさる局面では、豪ドル売り圧力が高まろう。
本日のチャートポイントだが、上値はこれまで述べてきたとおり0.70のトライおよび維持となろう。
一方、下値の焦点は、今月の上旬に相場をサポートした0.6920レベルの維持となろう。
この水準を下方ブレイクする展開となれば、次の焦点は短期サポートラインのトライとなろう。
このラインは今日現在、0.6890前後で推移している。
豪ドル/米ドルのチャート
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