焦点は米指標データと金利の反応
昨日発表された米国の指標データは総じて市場予想を上回りました。しかし、米長期金利は1.50%割れの展開に。良好な指標データに反発で反応しなかった状況は先行き不透明感の方が強く意識されていることを示唆しています。この状況下での外為市場の焦点は?マーケットレポートご覧ください。
Analysis Highlights
・焦点は米指標データと金利の反応
15日の米国市場は「株高/金利低下」の展開に。この動向を受け、外為市場では新興国通貨や資源国通貨の買い圧力が高まるいつものパターンとなった。昨日、各市場の動きを見て筆者が注目したのが米長期金利(以下米金利)だった。この日発表された米指標データ(7月小売売上高/8月NY&フィラデルフィア連銀製造業景気指数)が総じて市場予想を上回ったにもかかわらず、米金利は一時1.475%まで低下する局面が見られた。この展開は、先行き懸念の方が現在の米債市場で強く意識されていることを示唆している。今日は米住宅関連指標と8月ミシガン大学消費者態度指数(速報値)が発表される。昨日に続き良好な指標データの内容が確認されても「逆イールドショック」の方が強く意識される場合、米金利の低下基調が続こう。一方、良好な指標データは米株高要因である。よって、このケースでの外為市場は昨日同様、新興国通貨や資源国通貨が米ドルや日本円に対して上昇する展開を予想する。一方、良好な指標データに米金利が素直に反発で反応する場合は、米ドル買い優勢の展開を予想する。最後に今日の米指標データが総じて市場予想を下回る場合だが、米国市場はリスク回避相場(=米株安/米金利低下)の展開となろう。このケースでの外為市場は、日本円やスイスフランに対する買い圧力が高まろう。
【米長期金利】
・ドル円とユーロドルの展望
今日のドル円は米指標データに左右されよう。良好な指標データに米金利が上昇で反応する場合は、107.00をターゲットに上値トライを予想する。このケースでの焦点は、昨日相場をレジストした106.80の攻防である。この水準にはオファーが観測されている。107.00にもオファーの観測あり。一方、指標データの内容にかかわらず先行き不透明感の方が意識され、米金利の低空飛行が続くケースでは、米株の動向がドル円のトレンドを左右しよう。米株高の場合は106.00を挟んでの売り買い交錯相場を予想する。一方、米株安となれば105.70レベルのトライを予想する。この水準を下方ブレイクする場合、次のターゲットは105.50を想定したい。この水準と節目の105.00にはそれぞれビッドの観測あり。
ユーロドルは指標データの内容に反応する地合いとなっている。よって、本日も米指標データにらみの展開となろう。総じて市場予想を上回る内容となれば1.10台の攻防シフトを予想する。1.1070および1.1050にはそれぞれビッドが観測されている。1.1025(8/1安値)を完全に下方ブレイクする場合、節目の1.10トライを想定したい。一方、冴えない米指標データが確認される場合は反発を予想する。このケースでの焦点は21日MA(1.1155前後)の突破となろう。これを達成する場合、次のターゲットは1.1200と予想する。1.1180から1.1200にかけては断続的にオファーが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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