米指標データにらみの1週間
先月25日以来のアップとなります。今週の外為市場は米指標データが焦点となるでしょう。米金利および米ドル相場の変動要因となるからです。また、米中通商協議に関する観測報道にも注視する必要があります。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・米指標データにらみの1週間
米FOMC後、単発の調整を挟みながら長期金利(以下米金利)は1.6%台を中心に再び低下基調を辿っている。株高との連動性が崩れ、且つ中東情勢が緊迫化する中でも原油先物価格の上昇が抑制されている現状を考えるならば、米金利の反発材料として目先注視すべきは、やはり良好な米指標データとなろう。特に注視すべきは、本日発表される9月ISM製造業景況指数と4日の同月雇用統計である。
まずはISM製造業景況指数の内容が注目されるが、同指数は前月、好不況の分岐点である50ポイントを下回った。トランプ米政権が矢継ぎ早に対中関税を強化した昨夏以降、同指数は低下基調を辿っている。9月予想値は50.1と、前月から改善する見通しとなっている。予想以上の内容ならば米金利の反発とそれに伴う米ドル買い優勢の展開を予想する。逆に市場予想を下回る内容(=連続で50ポイントを下回る内容)となれば、米金利への低下圧力が高まろう。このケースでは米ドル売り優勢の展開を予想する。後者の場合、ドル円と新興国通貨のトレンドは米株にも左右されよう。冴えない指標データが米国経済の先行き不透明感を高める場合、「米金利の低下 / 米株の下落」を背景にドル円は107.40レベルを視野に下落幅の拡大を警戒したい。米中貿易交渉への警戒感が高まっている現状も考えるならば、新興国通貨は対米ドルで売り優勢の展開となろう。一方、冴えない米指標データがFEDのさらなる利下げ期待を高める場合、米株の続伸が予想される。このケースでのドル円は、下落しても107.70レベルを維持する展開を予想する。新興国通貨はリスク選好(=米株高)と米金利低下にサポートされ、対米ドルで上昇する展開を予想する。
【ISM製造業景況指数】
・ドル円とユーロドルのチャートポイント
上述のとおり、今週のドル円は米指標データの内容でトレンドが左右されよう。上値の焦点は108.40-50ゾーンの攻防が焦点となろう。108.40台はフィボナッチ・リトレースメント50.0%の水準にあたる。また、108.50にはオファーが観測されている。このレジタンスゾーンを完全に突破する場合、109円トライの展開を予想する。109.00にもオファーの観測あり。一方、下値の焦点は107円台の維持となろう。上述した107.70、107.40レベル以外で注視すべきサポートポイントは、21日MAが推移している107.60前後である。107.50および107.40にはビッドが観測されている。
ユーロドルは1.09レベルがサポートからレジスタンスへ転換するかどうかを見極める1週間となろう。トレンドは米欧の指標データとその内容を受けた米独金利の動向に左右されよう。下落基調が継続する場合、昨日安値1.0883の維持が焦点となろう。この水準を下方ブレイクする場合は、1.0838(2017年5/11安値)および1.0819(同年4/24安値)を次の下値ターゲットと予想する。一方、反発する場合は、1.0915の突破が目先の焦点となろう。この水準の突破に成功する場合、次の上値ターゲットは1.0950レベルを想定している。1.0960以上からは断続的にオファーが観測されている。
【ドル円】
【ユーロドル】
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