今週のドル円の見通しとチャートポイントについて
6月の米雇用統計にドル円は下落で反応した。今週の焦点のひとつは、新たなサポートポイントの見極めにあろう。しかし、ドル円のトレンドが転換したと判断するのは早い。今週の焦点は?注目のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週の外為市場の展望についてはこちらのレポートご覧ください
サマリー
・今週の焦点のひとつは、新たなサポートポイントの見極めにある
・140円台と141円台で注目しておきたい下値のチャートポイントについて
・トレンド転換の判断は、短期サポートラインの下方ブレイクを確認してから
・ドル円が反発する場合は144.70レベルの攻防に注目したい
新たなサポートポイントの見極め
今週のドル円(USDJPY)では、新たなサポートポイントの見極めが焦点のひとつとなろう。
先週7日の外為市場では米ドル安と円高が同時に発生し、ドル円は一気に21日MA(7日時点142.55レベル)を下方ブレイクした(安値142.07レベル)。
しかし、通貨オプション市場のリスクリバーサルと予想変動率の動きを確認すると、前者ではドルプットへ傾く動きは見られたが小幅な反応にとどまった。一方、予想変動率も1ヶ月のそれが小幅に上昇したが大きな動きは見られなかった(ともに下チャートの青ゾーンを参照)。
145.00レベルがレジスタンスのポイントとして明確になったタイミングで、一気に21日MAを下方ブレイクした状況を考えるならば、日米の株安局面ではさらにドル円の調整相場(下落)が進行することが予想される。
しかし、米長期金利が上昇基調を維持していること、そして現時点での通貨オプション市場の反応も考えるならば、ドル円の下落局面では下で述べるテクニカルポイントで反転する可能性がある。
ドル円のリスクリバーサルと予想変動率のチャート
2つの23.6%戻しと短期サポートライン
日米の株安(株高の調整)局面でドル円(USDJPY)が先週7日の安値142.07を下方ブレイクする場合は、141円台の攻防へシフトする展開を想定しておきたい。
このケースで最初に注目しておきたいチャートポイントは、直近の高値145.07と3月の安値129.64レベルのフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準141.43レベルである。この水準前後は、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に “サポート転換” が確認された経緯がある。
日米の株安(株高の調整相場)が続く場合は、141.43レベルだけでなく141.00をも下方ブレイクし、140円台へ下落する展開を想定しておきたい。
このケースで最初の焦点となるのが、直近の高値145.07と今年1月の安値127.22レベルのフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準140.86レベルの攻防である。この水準は、5月下旬に相場の上昇を止めた経緯がある。ゆえにドル円が140.86レベルをトライする場合は、“サポート転換”の確認が焦点となろう。この状況が確認される場合は、ドル円の反発を想定したい。
ドル円が後者のリトレースメント23.6%戻し(140.86レベル)をも下方ブレイクする場合は、節目の140.00トライが焦点として浮上しよう。
しかし、ドル円が140円台へ下落しても、3月の安値129.64レベルを起点とした短期サポートラインを下方ブレイクしない限り、3月下旬に発生した現在の上昇トレンドを調整する相場と想定しておきたい。
逆にドル円が短期サポートラインを下方ブレイクする場合は、トレンド転換のシグナルとなろう。このケースでは、上で述べた通貨オプション市場でも大きな動き-リスクリバーサルはドルプットへ傾き、予想変動率は上昇することが予想される。
ドル円のチャート:日足
反発の局面では144.70レベルの攻防に注目したい
今週、ドル円(USDJPY)の反発局面で注目しておきたいチャートポイントが、144.70レベルである。
7月4日以降、この水準はレジスタンスポイントとして相場の上昇を止める局面が何度か確認された。
特に、先週6日のNY時間序盤の上昇局面では長い上ヒゲが示現し、144.70レベルでの上値の重さを市場参加者に印象付けた(この時の高値は144.65レベル)。
ゆえに、ドル円の反発局面で144.70レベルが強固なレジスタンスとして145円台への上昇を阻む状況が続けば、市場参加者はドル円の上昇モメンタムの後退とその先の下落リスクを警戒するだろう。
ドル円が144.70レベルをトライするシグナルとして、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準142.68レベル、半値戻しの水準(143.36レベル)そしてフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準143.67レベルの攻防に注目したい。
これらのチャートポイントはいずれも、先週7日の下落局面で相場の反発を止めた水準である。
ドル円のチャート:1時間足
本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありません。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。 無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。
IG証券のFXトレード
- 英国No.1 FXプロバイダー*
- 約100種類の通貨ペアをご用意
* 英国内でのCFDまたはレバレッジ・デリバティブ取引(英国でのみ提供)での取引実績において、FX各社をメイン口座、セカンダリー口座として使用している顧客の割合でIGがトップ(Investment Trends UKレバレッジ取引レポート 2022年6月)
リアルタイムレート
- FX
- 株式CFD
- 株価指数CFD
※上記レートは参考レートであり、取引が保証されるものではありません。株式のレートは少なくとも15分遅れとなっております。