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今週のドル円は新たなレジスタンスポイントの見極めが焦点に

日銀の政策修正を受けてもドル円は上昇し、138.00レベルがサポートの水準としてより明確となった。ドル円が上昇基調を維持する場合、レジスタンスの候補として意識しておきたい水準は?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

サマリー

・先週28日の上昇で138.00レベルがサポートポイントとして明確になった
・今週のドル円の焦点は、新たなレジスタンスの水準を探ることにある
・ドル円の上昇局面では2つのチャートポイントに注目したい


138.00レベルがサポートポイントとして明確に

先週28日に開かれた金融政策決定会合で日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正に踏み切った。

日銀の政策修正があれば、筆者はドル円(USD/JPY)の下落を予想していた。実際、28日の東京時間では、「米ドル安・円高」へ振れる局面が見られた。

しかし、138.00レベルが強固なサポートポイントとして意識されると次第に円安トレンドへ転換し、NY時間に141円台まで急上昇する展開となった。

138.00レベルはIG為替レポートで注目してきた水準であるが、28日の上昇により「サポートポイントとしての138.00レベル」がより明確になったと言える。

ドル円のチャート :5分足

ドル円のチャート:5分足 IGチャート:7月28日の動向

上昇局面では142.00と143.00の攻防が焦点に

先週28日の底堅さを考えるならば、今週のドル円(USD/JPY)の焦点は、新たなレジスタンスの水準を探ることにある。

この点は、通貨オプション市場の動きも示唆している。ドル円のリスクリバーサルの動向を確認すると、ドルプットへの傾きが止まっている。また、円高リスクが意識される局面で上昇する傾向がある予想変動率は低下している(下チャートの赤ゾーンを参照)。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の推移

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率の推移 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:23年6月以降 / 1M:1ヶ月、 3M:3ヶ月


こちらのIG為替レポートで述べたとおり、今週の米ドル相場はアメリカの経済指標、特に雇用関連の指標で動くことが予想される。

これら経済指標で強い内容が確認される場合は、「米ドル買い→ドル円の上昇」を想定しておきたい。

ドル円の上昇局面では、今月21日に相場の上昇を止めた142.00レベルのトライおよびブレイクが焦点となろう。142.08レベルは、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準にあたる。ゆえにテクニカルの面でも142.00レベルは、レジスタンスとして意識されやすい。

ドル円が142円台へ上昇する(142.00レベルがレジスタンスからサポートへ転換する)場合は、さらなる上値トライのシグナルとなろう。

このケースでは、今月10日に相場の反発を止め、かつ日足ローソク足で長い上ヒゲが示現した143.00レベルを視野に、ドル円の上昇幅が拡大する展開を想定しておきたい。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 IGチャート:23年6月以降


反落局面でのチャートポイント

一方、さえないアメリカの経済指標などを受けてドル円(USD/JPY )が反落する場合は、140円台の維持が目先の焦点となろう。今日現在、10日MAが140.50手前(140.48レベル)で推移している。

ドル円が10日MA(140.40台)を下方ブレイクする場合は、フィボナッチ・エクステンション23.6%の水準140.10レベルのトライを想定しておきたい。この水準の攻防は、140円台を維持できるかどうか?の攻防として注目したい。

ドル円が後者のテクニカルポイント(140.10レベル)をも下方ブレイクする場合は、レンジの下限と想定される138.00レベルを視野に調整相場(反落)の進行を想定しておきたい。

ドル円のチャート:日足

ドル円のチャート:日足 IGチャート:23年6月下旬以降

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