【ドル円 / ユーロドル】今週の展望とテクニカルポイントについて
失業率の上昇、賃金インフレの抑制そしてSVBの経営破綻問題により、米債市場では利回りに低下の圧力が高まっている。しかし、今週発表される米国のインフレ指標次第では、米金利に再び上昇の圧力が高まる可能性がある。ECB理事会では今後の政策スタンスが焦点となろう。ドル円とユーロドルの展望は?注目しておきたいチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
※今週の注目材料および米ドル相場とユーロ相場の見通しについてはこちらのレポートをご参照ください。
ドル円の焦点とチャートポイント
新たなサポートポイントの見極め
今週のドル円(USDJPY)のトレンドは、米国のインフレ指標と米金利の反応に左右されるだろう。
日足チャートで直近の動向を確認すると、200日MA(137.48レベル)がレジスタンスラインとして鮮明になってきた。21日MA(135.23レベル)を完全に下方ブレイクし、かつMACDは地合いの弱さを示唆している。さらに、週明け早々には134円を下方ブレイクする展開が見られた(安値133.56レベル)。
上で述べた状況を総合的に考えるならば今週のドル円の焦点は、新たなサポートポイントの見極めにあろう。
チャートポイントについて
2月の米インフレ指標やリスク回避相場で米金利が低下する場合は、ドル円の下落を想定しておきたい。このケースでは、週明け早朝の下落をかろうじて止めた感のあるフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準133.83レベルの攻防が焦点となろう。
ドル円が38.2%の水準や本日早朝の安値133.56レベルを完全にブレイクする場合は、直近高安の半値戻し132.56レベル、そしてフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準131.30レベルの攻防を想定しておきたい。後者の水準(61.8%戻しの水準)をもブレイクする場合は、節目の130.00トライを想定しておきたい。
ドル円の反発局面では21日MAの攻防に注目したい。この移動平均線は、過去にレジスタンスとして意識される局面が確認されている。この移動平均線すら突破できない状況が続けば、上で述べたサポートポイントを目指す展開を想定しておきたい。
一方、ドル円が21日MAの突破に成功する場合は、137円台への再上昇と200日MAの攻防が引き続き焦点となろう。200日MAの突破は、138.00をトライするシグナルと想定しておきたい。
ドル円のチャート
ユーロドルの焦点とチャートポイント
新たなレジスタンスの水準が焦点に
今週のユーロドル(EURUSD)は、米国のインフレ指標とECB理事会で上下に振れる展開が予想される。
直近の動向を日足チャートで確認すると、1.05台(フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準)の維持に成功し反発のムードにある。MACDで地合いの弱さが後退している状況にあることも考えるならば、今週のユーロドルはどこまで反発するのか?この点が焦点となろう。
チャートポイントについて
米国のインフレ指標が米ドル安の要因となる場合やECB理事会がユーロ高の要因となる場合、ユーロドルは1.07台へ再上昇すると同時に、1.08レベルを視野に上昇幅の拡大が予想される。レジスタンスとして意識される局面が見られた1.0770レベルの突破は、1.08トライのシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルが1.08台の攻防へシフトする場合は、フィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0838レベルおよび76.4%の水準1.0913レベルの攻防に注目したい。
一方、米国のインフレ指標が米ドルの買い戻し要因となる場合やECB理事会がユーロ安要因となる場合は、引き続き1.05台の維持が焦点となろう。このケースでは、21日MA(1.0635レベル)と89日MA(1.0615レベル)の攻防に注目したい。これらの移動平均線を難なくブレイクする場合は、1.05台へ反落するシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルが1.05台の攻防へシフトする場合は、1.0530レベルの維持が焦点となろう。この水準のブレイクは、1.05をトライするシグナルと想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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