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日銀の政策修正でも根強い円安の圧力、今週の外為市場は米経済指標にらみの展開に

日米欧の中銀イベントを通過し、今週の外為市場は経済指標にらみの展開が予想される。注目はアメリカの雇用関連指標となろう。来月4日に雇用統計が発表される。注目すべきポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

※今週のドル円の見通しについてはこちらのレポートをご覧ください


サマリー

・日銀が政策の修正に動いても外為市場は円安で反応した
・ドル円は引き続き米金利と日米利回り格差の動向にトレンドが左右されよう
・今週の注目材料はアメリカの経済指標、特に雇用関連の指標が焦点に
・7月の米雇用統計の焦点と米ドル相場およびドル円の展望


日銀の政策修正でも根強い円安の圧力

政策の修正に踏み切った植田日銀

先週28日に開かれた金融政策決定会合で日銀は、国債を無制限に毎営業日購入する指し値オペの水準を1%に引き上げ、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正に踏み切った。

日銀の植田和男総裁は会見で、長期金利が1%に近づいていく可能性は低いとの見方を示し、新たに設定された指し値オペの水準「1%」については「念のための上限」と述べた。

外為市場は円安の展開に

日銀の政策修正を受け、東京時間の外為市場では円高へ振れる局面が見られた。

しかし、欧米時間に入ると円安の圧力が高まり、ドル円(USD/JPY)は138円台から141円台へ上昇する展開となった。

クロス円も総じて円安優勢の展開となり、特に対ユーロやポンドで円安が進行した。

円相場の動向:7月28日

円相場の動向:7月28日 ブルームバーグの為替データをもとに作成 / 基準日:7月27日


円高トレンドへの転換を意識する局面に

日銀が政策修正に動く場合、外為市場は円高で反応すると筆者は考えていた。しかし、上で述べたとおり先週28日の外為市場は円安の展開となった。「日銀が金融緩和政策から完全に脱却するのはまだ先」という市場参加者の思惑が28日の円安の根底にあるかどうかについては、今後の展開を確認する必要がある。

しかし、今回の政策修正を受け、植田日銀の基本路線が金融緩和政策からの脱却であることがあらためて確認された。国内の長期金利が1%に向かって急速に上昇していく可能性は低いが、上昇の余地は確実に広がった。

一方、海外に目を向けると、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など主要国の中銀は利上げサイクルの最終局面にある。そして近い将来、利上げの停止と利下げ政策への転換が強く意識される局面が訪れるだろう。

今は根強い円安が続いているが、これからの円相場は円高トレンドへ転換する可能性を意識しておく必要がある。


ドル円は引き続き日米利回り格差の動向が焦点に

7月のドル円(USD/JPY)は日本株と連動する局面が見られたが、基本的には日米利回り格差の動向がトレンドの決定要因である。

日銀が政策の修正に踏み切ったことで、国内金利の上昇幅が拡大する可能性が出てきた。

しかし、上で述べたとおり新な上限の「1%」では指値オペが待ち構えているため、国内金利が1%に向かって急速に上昇する可能性は低い(仮にそのような局面が見られる場合は、円相場のボラティリティが拡大しよう)。

このため日米利回り格差の動向は、引き続き米金利の動きが主導すると思われる。

ドル円と日米利回り格差の動向

ドル円と日米利回り格差の動向 ブルームバーグのデータをもとに作成 / 日足:年初来

今週の注目材料はアメリカの経済指標

7月雇用統計の焦点と米ドル相場、ドル円の展望

米債市場では今後、利上げ政策の停止と景気の減速がテーマとなろう。ゆえに米金利は、緩やかな低下のトレンドを形成していくと思われる。だが、これは中長期のスパンの話である。

短期的には、先週27日の強いGDP統計が米金利の上昇要因となったように、アメリカ経済指標の内容次第で、米金利の上昇と日米利回り格差が拡大する展開を想定しておく必要がある。

アメリカの経済指標では、引き続きインフレと雇用関連のそれらが米金利の変動要因となりやすい。

来月4日に7月の雇用統計が発表される。4-6月期のGDP統計速報値でコアPCE価格指数が前期比で3.8%と、前期の4.9%から大幅に低下した。

一方、FRBが注目している個人消費支出(PCE)のコア指数も6月は前年比で4.1%と、5月の4.6%から大幅に低下した。

米ドル相場とドル円の展望

7月の雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が予想以下以となり、かつ賃金の伸びが市場予想を下回る(賃金インフレが抑制される)場合は、米利上げサイクルの終了に対する市場参加者の思惑がさらに高まることで、「米金利の低下→日米利回り格差の縮小→米ドル売り→ドル円の下落」が予想される。

一方、7月の雇用統計が総じて予想以上となれば、米金利には上昇の圧力が高まることが予想される。このケースでは、「日米利回り格差の拡大→米ドル買い→ドル円の上昇」を想定しておきたい。

アメリカ雇用統計の推移と予想

アメリカ雇用統計の推移と予想:過去1年間 米労働省のデータをもとに作成 / 月次:2022年6月以降 / 緑のバーチャートとドットは7月の予想中央値


7月雇用統計以外の雇用指標にも注目

7月雇用統計の他にも、今週は多くの雇用関連指標-8月1日に6月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数、同月3日に週間の新規失業保険申請件数が発表される。

筆者は、新規失業保険申請件数の動向により注目している。4週移動平均のトレンドを確認すると、今年に入ってからの上昇トレンドがひとまず止まり、今は低下のトレンドにある。

一方、JOLTSは減少の傾向にある。しかし未だ900万人台と、2019年の700~800万と比較して高い水準にある。

アメリカの労働市場の堅調さを示す動きが見られるなかで、今週の雇用関連指標が全般的に強い内容となれば、7月の雇用統計が発表される前に外為市場では米ドル高優勢の展開となることが予想される。米ドル買いはドル円のサポート要因となろう。

一方、今週の雇用関連指標で予想以下の内容が続く場合は、米ドル安の展開を想定しておきたい。米ドル安はドル円の下落要因となろう。

雇用動態調査(JOLTS)と新規失業保険申請件数の推移

雇用動態調査(JOLTS)と新規失業保険申請件数の推移 米労働省のデータをもとに作成 / JOLTSは月次、新規失業保険申請件数は週次

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