米ドル安の背景とユーロドルのポイント
円相場はクロス円を軸に円安優勢となっています。ここで考えるべきは、なぜクロス円が軸なのか?ということです。その主因はこのレポートで指摘し続けている米ドル相場のトレンド転換(ドル高→ドル安)が関係しています。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・米ドル安の背景について
16日の米欧そして主要な新興国の株価指数は軒並み上昇した。12月以降の円相場の騰落率(対先進国通貨)を確認すると、総じて円安トレンドにあることがわかる。つまり現在の円相場は、これまで見られてきた「株高→円安」という従来のトレンドが示現している。今回の円安で注視すべきは、軸が「クロス円」ということである。これは言い換えれば、米ドル売り圧力の高まりと同時に欧州通貨、資源国通貨そして新興国通貨が上昇し、その結果クロス円が軸となる円安トレンドが発生している、ということである。
では、米株が最高値圏での攻防が続く一方、米ドル買い圧力が高まらない理由は何か?まずは米長期金利(以下米金利)の上昇が抑制されていることである。米中通商摩擦の懸念が後退して尚、米金利は1.8%台の水準でキャップ状態となっている。では、米金利が上昇しない理由は何か?それは将来の米経済の減速と2020年の利下げを市場が意識しているからである。後者の点を短期金融市場の動向で確認すると、来年後半にもFEDが利下げ局面に直面すると予想している(FEDは来年の利下げはなしと予想)。そして現状、最も注視すべき理由は、上述した米中通商摩擦の懸念が後退局面にあることだ。米中対立が激化して以降、このレポートでは「対立リスク激化=米ドル買い要因」、「対立リスク緩和=リスク通貨買い要因」と指摘し続けてきた。現在、後者の状況にあることは明白であり、これらの理由が重なり合って、現在の外為市場では米ドル安と円安が同時に発生する一方、これまで売られ続けてきた欧州通貨やリスク性の高い通貨の買い圧力が高まっているというわけである。
【円相場の騰落率】
・ユーロドルのチャートポイントについて
シカゴIMM通貨先物ポジションの動向を確認すると、豪ドルやNZドルのネットショートは解消傾向にある。英ポンドも約22,000枚までネットショートが縮小している。対照的にユーロのネットショートは約67,000枚と、上記3つの通貨と比較するとユーロの買戻しが発生しやすい状況にある。上値トライとなる場合、目先は1.1160および1.1180をローソク足の実体ベースで突破できるかどうか、この点が焦点となろう。これらレジスタンスポイントの突破に成功すれば、1.12の再トライが焦点として浮上しよう。だが、現在のインプライド・ボラティリティ(1週間/1ヶ月)は再び低下基調にある。この状況を考えるならば、反発基調を維持しても1.12前後までの上昇が限界と予想する。一方、下値は1.11台の維持が焦点となろう。1.1100にはビッドの観測あり。
【ユーロドル】
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