注目度が高まる米雇用統計
今日の焦点はやはり9月の米雇用統計でしょう。ISM雇用指数と雇用統計(雇用者数変化)は高い相関性を有しています。冴えないISM指数が確認されたということは、今晩の雇用統計は下振れリスクを警戒します。賃金動向も重要な焦点です。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・注目度が高まる米雇用統計
9月ISM非製造業景況指数は52.6と、市場予想(55.0)を下回った。製造業だけでなく、非製造業でも冴えない内容が確認されたことで、3日の米長期金利(以下米金利)は1.5%台の水準へ低下。外為市場では米ドル売り圧力高まった。9月ISM指数でより注視すべきは雇用指数の動向である。製造業のそれは米中貿易摩擦の影響を受け50ポイントを完全に下回ったが、非製造業の雇用は緩やかな低下トレンドを辿りながらも今年5月に58.1まで上昇する等、かろうじて堅調さを維持していた。しかし、5月を境にピークアウトすると、9月は一気に50.40まで低下。2000年からのデータをもとにISM雇用指数と雇用統計(雇用者数変化-NFP)の相関性を確認すると、製造業の雇用指数とNFPのそれは0.69、非製造業の雇用指数とのそれは0.83と、ともに高い相関性を示している。ISM雇用指数の低迷はNFPの下振れリスクを示唆している。NFPが市場予想(14.5万人)を下回る場合、米国市場はリスク回避相場(=株安 / 金利低下)となろう。どの程度下落(低下)するかは賃金動向も確認する必要があるが、市場予想の3.2%(前年同月比)を下回るケースでは、S&P500の重要サポートポイント2,820割れ、米金利の1.50%割れ、および外為市場での「米ドル安 / 円高」を予想する。一方、NFPや賃金の伸び率が市場予想以上のケースでは、上記とは真逆の展開を予想する。
【ISM雇用指数】
・ドル円とユーロドルのチャートポイント
今日のドル円は、雇用統計後に大きく動く展開となろう。同指数が総じて市場予想以下となるケースでは106.00トライを予想する。3日のレポート「ドル円のトレンドパターン」でも指摘したとおり106.00直下はフィボナッチ・リトレースメントの61.80%とプロジェクション161.80%の水準にあたる。ビッドが観測されていることも考えるならば、重要な攻防分岐のポイントとして意識しておきたい。昨日相場をサポートしたリトレースメント50.00%の106.45のブレイクは、106.00トライのシグナルとなろう。一方、雇用統計が総じて市場予想を上回る場合は、米国市場のリスク選好(=株高/金利反発)を予想する。外為市場では米ドル買い優勢の展開となろう。ドル円は21日MA(107.65前後)を上限に戻り高値の水準を確認する展開となろう。107.00には早くもオファーが観測され始めている。
ユーロドルも米雇用統計後に大きく動く展開を予想する。「冴えない雇用統計→米金利低下」のケースでは1.10のトライが焦点となろう。1.10直下には21日MA(1.0997前後)が推移している。1.0990および1.10にはオファーの観測あり。一方、「良好な雇用統計→米金利反発」のケースでは下値トライを予想する。昨日相場をサポートした1.0940レベルの維持が目先の焦点だが、この水準を下方ブレイクする場合は1.09トライを警戒したい。1.0930および1.09にはビッドが観測されている。
【ドル円:リトレースメント】
【ドル円:プロジェクション】
【ユーロドル】
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