ドル円のトレンドパターン
このレポートで指摘したとおり、米株には調整ムードが高まってきました。2019年に入り株高と円安の相関性は崩れていますが、株安と円高の相関性は健在です。これはドル円の動向を見極める上で重要なトレンドパターンです。しかし、株安との相関性以上に重視すべきもうひとつのトレンドパターンがあります。それは何か?詳細はマーケットレポートをご覧ください。
・ドル円のトレンドパターン
予測通り米株には調整圧力が高まってきた。S&P500指数のボラティリティが低すぎる水準「6%」まで到達していない可能性を考えるならば、目先は小幅な調整が散見されよう。この動きはボラティリティの低下要因であると同時に地合いの弱さ(=上値の重さ)を市場に意識させる。それ故、低すぎるボラティリティは売りシグナルとなる。2019年に入るとドル円と株高との間に明確な相関性は見られない。一方、株安と円高の相関性は未だ健在である。この点はドル円の重要なトレンドパターンのひとつである。しかし、株安との相関性以上に注視すべきトレンドパターンがある。それは、米長期金利(以下米金利)の低下幅とドル円の下落幅の間にあるトレンドパターンである。この点を「ドル円①」のチャートで確認してみよう。国際金融市場が不安定化した昨年10月以降、米金利には低下圧力が高まり始めた。同時にドル円の上値も徐々に切り下がりはじめ、今年4月頃から米金利がドル円のトレンド決定要因となった。この過去1年間の両市場の関係を確率密度推定でみると、①:米金利3.0%台でのドル円は112-114円レンジ、②:米金利2.5-3.0%の水準でのドル円は109-112円レンジ、③:米金利2.0-2.5%の水準でのドル円は108-110円レンジ、というパターンが見られる。つまり米金利が0.5%程度低下するごとに、ドル円のレンジは約2円下切り下がるというトレンドパターンが見られる。12月FOMCでの利下げ確率が80%を超えてきた現状を考えるならば、米金利の低空飛行状態が続く可能性が高い。その過程でさらに米金利が0.5%低下し、1.5%-2.0%レンジが常態化する場合、ドル円は106-108円レンジでの攻防が続こう。さらに0.5%低下(=1.0-1.5%レンジへ低下)する場合、ドル円は104-106円レンジが主戦場となる計算になる。
【S&P500】
【ドル円①】
・ドル円のチャートポイント
今日のドル円も米指標データにらみの展開となろう。9月ISM製造業景況感指数に続き、同月ISM非製造業景況感指数や8月製造業新規受注が市場予想以下となれば、米経済に対する先行き不透明感を背景に米株にはさらに調整圧力が高まろう。米金利も1.5%台の水準へ低下することが予想される。米国市場がリスク回避相場となる場合、ドル円は106円台への攻防シフトを予想する。この場合、106.90台の維持が焦点となろう。106.93はフィボナッチ・リトレースメント38.20%とプロジェクション100.00%の水準にあたる。また、106.90にはビッドが観測され、先月24日に106.95で相場がサポートされた経緯がある。
106.90を下方ブレイクする場合、次の焦点はリトレースメント50.00%の水準106.45レベルを想定する。だが、108.50ブレイクの失敗によるダブルトップ形成の可能性を考えるならば、106.00トライを警戒したい。尚、106.00下には偶然にもリトレースメントで最も注視すべき61.80%の水準とプロジェクションの重要ポイント161.80%の水準が重なっている。106.00は106.90以上に重要サポートとして意識したい。一方、良好な指標データ等により米金利が反発するケースでは、21日MA(107.67前後)を上限と想定し、戻り高値の水準を探る展開となろう。107.80には早くもオファーが観測されて始めている。
【ドル円②:リトレースメント】
【ドル円③:プロジェクション】
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