ドル円の上昇は米金利の動向次第 / ドル円のチャートポイント
今日のポイント:『ドル円の上昇は米金利の動向次第で決定される局面へとシフトしている。ドル円の上値の焦点と下値のポイントについて』。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
ドル円の上昇は米金利の動向次第
昨日の外為市場は、米ドル安および円安優勢の展開となった。これら通貨売りの背景にあるのは世界的な株高である。そしてドル安と円安の戦いは円安に軍配が上がった。
FEDによる大規模な金融緩和政策を土台に政策相場が発生して以降、株高局面でのドル円は『米ドル安vs円安』という互いの売り圧力がぶつかり合う展開が続いている。
それ故ドル円は、レンジ内で売り買いが交錯する局面が多く見られる。
しかし昨日のドル円は、高値105.79まで上昇する局面が見られた。
そして主要な先進国通貨の対米ドルパフォーマンスを確認すると、米ドルは日本円のみで上昇したことがわかる。
米ドル相場のパフォーマンス
株高の局面で、なぜ米ドルだけが対円で上昇したのか?
この疑問を解く鍵は、米長期金利(以下では米金利)の動向にある。
昨日の米金利は0.69%台から0.78%台まで一気に上昇する局面が見られた。世界的なリスク選好相場やISM非製造業景況指数(9月分)が57.8と、市場予想(56.3)を上回ったことが金利反発の背景にある。
そして、昨日のドル円と米金利の動向を重ねてみると、まず米金利が反発し、その後にドル円が上昇していることがわかる。
つまり、米金利の反発にドル円が追随したということである。
現在のドル円が上昇するためには『株高と米金利が同時に上昇する』ことが条件と、このレポートで指摘してきたが、昨日は指摘通りの展開となった。
そして、今後も指摘通りの展開となるならば、ドル円の上昇は米金利の動向次第という局面へシフトするということになる。
ドル円と米金利の動向
ドル円のチャートポイント
米株をはじめ、世界的に株高のムードが高まっている。
この状況で米金利の反発が続く場合は、昨日および先月の30日に上値を抑制した105.80の突破と106円台への上昇が目先の焦点となろう。105.80から106.00にかけては断続的にオファーが観測されている。
106円台の攻防へシフトする場合は、106.30‐50ゾーンの攻防が焦点となろう。9月以降、この水準がレジスタンスゾーンとして意識され、104.00トライの起点となった経緯がある。106.30から106.50にかけてもオファーが観測されている。
これらレジスタンスポイントをも突破する場合は、107.00を視野に上昇幅の拡大を予想する。
一方、株高の局面でも米金利が低下する場合は、106円手前で上値の重い展開が予想される。このケースでは、調整の反落を警戒したい。
だが、株高トレンドが大きく崩れない限り、105円台を割り込む可能性は低い。105円前半では押し目買いによってサポートされる展開を予想する。105.20および105.00にはビッドが観測されている。
ドル円のチャート
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