【ドル円 (USD/JPY)】引き続き151.90台の攻防が焦点に
先週の後半、外為市場では円を買い戻す動きが見られた。この動きは、円安圧力の相殺要因として目先注目すべきことを示唆している。今週のドル円(USD/JPY)の展望は?注目しておきたい上下のチャートポイントは?詳細はIG為替レポートをご覧ください。
サマリー
・円安圧力の相殺要因として目先注目したいこと
・ドル円は引き続き151.90台の攻防に注目したい
・ドル円の反落局面では1円レンジでサポート水準を見極めることになろう
外為市場の動向:海外中銀の緩和姿勢と円安圧力の後退
先週19日の金融政策決定会合で日銀は大規模緩和政策の解除を決定し、金融政策の正常化に踏み切った。しかし当面の間は緩和的な環境が続く(植田和男日銀総裁)との見方から、外為市場では円安が進行する局面が見られた。
だが、ハト派と受け止められた米連邦公開市場委員会(FOMC)と英中銀の金融政策委員会(MPC)、そしてスイス国立銀行が2015年以来、9年ぶりの利下げを決定したことを受け、先週の後半以降は円安の圧力が後退した(下のパフォーマンスを参照)。
この動きは、現在の円安圧力を後退させる要因として、他国の主要中銀の政策姿勢が重要であることを示唆している。
ゆえに今後、円安の動向を考えるうえで、海外中銀の政策姿勢を左右する経済指標の内容が重要となろう。
円相場の動向:3月21日~22日のパフォーマンス
今週の注目材料:米国のインフレ指標
今週も各国の重要経済指標がいくつか発表される。注目は米国の経済指標である。なかでも市場参加者の関心が高いのが、2月の個人消費支出(PCE)価格指数(以下PCEデフレーター)である。内容次第では、翌週以降の米金利と米ドル相場の変動要因となろう(今週29日はグッドフライデーで主要な海外市場が休場)。
直近の動向を確認すると、前月比のコアでインフレ圧力の根強さが確認される一方、前年同月比ではインフレが鈍化の傾向をたどっている(下のチャートを参照)。なお、2月の前月比コア指数は伸びが抑制される予想となっている。
米国 個人消費支出(PCE)価格指数の動向:23年以降
2月消費者物価指数(CPI)と同月生産者物価指数(PPI)では、インフレ圧力の根強さが確認された。これらの内容に対し米債市場では利回りが上昇し、米金利の上昇は米ドル買いの圧力を高めた。
米連邦準備制度理事会(FRB)が注視するPCEデフレーターでもインフレ圧力の根強さが確認される場合は、米ドル買いの要因になり得る。特に、コアPCEデフレーターでインフレ圧力の根強さが確認される場合は、米ドル買いの要因になり得る。
FOMCイベント以降、米債市場では再び利回りに低下の圧力が高まっている。この状況でPCEデフレーターがインフレの鈍化傾向を示唆する場合は、米ドル安の要因として想定しておきたい。
ドル円:今週の見通しとチャートポイント
焦点は引き続き151.90レベルの攻防
通貨オプション市場のリスクリバーサル(ドル円)の動きを確認すると、1週間のそれはドル・コールの状況にある。1か月のリスクリバーサルの動きも考えるならば、今週のドル円(USD/JPY)焦点は、引き続き151.90レベルのトライそして突破にある。
ドル円のリスクリバーサルの動向:日足24年以降
日足のモメンタムの動向もドル円の地合いの強さを示唆している(下の日足チャート、緑矢印を参照)。
今週、ドル円が151.90台を完全に上方ブレイクする場合は、152円台への攻防シフトを想定しておきたい。
そしてIG為替レポートで注目している151.90レベルや152.00レベルでのサポート転換が確認される場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けよう。
ドル円のチャート:日足23年11月以降
ドル円が152円レベルで底固めの状況となれば、1円レンジで上値の水準を探る展開を想定しておきたい。
まずは153円台への上昇と、23年以降の主要な高安で算出されるNT計算値の水準153.28レベルのトライとなるかどうか?この点に注目したい(下の週足チャートを参照)。
ドル円が153円台へ到達しても円買い介入に対する警戒感が高まらない場合は、さらに上値をトライする展開が予想される。
一方、円買い介入の可能性が強く意識される局面では、不意打ちのような反落を警戒しておきたい。今朝、神田財務官から円安をけん制する発言が聞かれた。しかし、実際に円買い介入が行われても現在の円安圧力の根強さを考えるならば、押し目買いの機会を与えることになると予想する。
ドル円のチャート:週足22年7月以降
反落局面での焦点は?
日足のストキャスティクスは、買われ過ぎの水準でデッドクロスのムードにある。RSIも買われ過ぎの水準まで上昇している。この状況で今週の経済指標が米ドル安の要因となる場合は、ドル円(USD/JPY)の調整(反落)相場を想定しておきたい。
ドル円は本日早朝、神田財務官のけん制発言を受け、上で述べた5日線(今日現在151.25レベル)を下方ブレイクする状況が見られた。
今日現在、この移動平均線が推移している水準は直近高安のフィボナッチ・エクステンション38.2%の水準にあたる(下の1時間足チャート、青ラインを参照)。
ドル円が5日線(フィボナッチ・エクステンション38.2%水準)をトライしている状況を考えるならば、目先の焦点は151円台の維持となろう。151.08レベルはフィボナッチ・エクステンションの半値戻しの水準にあたる。今朝の下落局面では、この水準で相場がサポートされた(下の1時間足チャート、黒矢印を参照)。
また、すぐ下の150.90レベルはフィボナッチ・エクステンション61.8%の水準にあたる。先週の21日以降、これらテクニカルの水準で相場が反発している経緯を考えるならば、151.00レベルを目先の重要なサポート水準として意識しておきたい。
ドル円の調整相場が進行し150円台の攻防となる場合は、150.00レベルそしてサポート転換の可能性がある149.00レベルの維持が焦点として浮上しよう(上の日足チャート、緑ラインを参照)。
分足や時間足のストキャスティクスとRSIを軸にトレンドを追いならが、ドル円が上で述べたサポート水準をトライする局面でこれらオシレーター指標が売られ過ぎの水準へ低下している場合は、ドル円の反発相場を想定しておきたい。
ドル円のチャート:1時間足3月20日以降
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