米国を代表する「MAGA+F」銘柄の底力発揮か?
米国ウィークリー2020年4月28日号
- 4/21にFAANG銘柄の一角を占めるネットフリックス(NFLX)の2020年1-3月期決算が発表され、順調な業績拡大が示された。今週は、4/28にアルファベット(GOOGL)、4/29にマイクロソフト(MSFT)とフェイスブック(FB)、4/30にアップル(AAPL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)の決算が発表予定である。マイクロソフト、アップル、アルファベット(グーグルを含む)、アマゾン・ドット・コムの4銘柄を指す「MAGA」の4/24終値の時価総額合計は約4兆6,450億ドル、これにフェイスブックを加えた「MAGA+F」の時価総額合計は約5兆1,860億ドルに達する。仮にこの5銘柄の時価総額合計が2%増加すれば、その増加額は約1,037億ドルに達し、1ドル107円50銭換算では約11.15兆円に上る。これは日銀がTOPIX連動ETFの年間買入れ目標である12兆円に匹敵する金額である。米国を代表し、世界のデジタル・エコノミーの覇権を握るこれらの巨大プラットフォーマーに資金が流入することで、時価総額加重平均型の株価指数であるS&P500やナスダックが上昇しやすくなる面はあろう。また、値上がりして売却した資金が他の米国株に流れることによる米国株全体の底上げ効果も期待されよう。
- 「MAGA+F」の5銘柄の中でも、アマゾン・ドット・コムが新型コロナウイルスの影響による「巣篭もり消費」で最も恩恵を受ける銘柄と見なされ、堅調に上昇している。3/16の安値1,626USDから4/16の高値2,461USDまで上昇し、下落前の年初来高値だった2/19の2,185USDを上回った。また、マイクロソフトは外出規制による自宅勤務や学習の広がりがビデオ会議(Teams)やデータセンター(Azure)の利用拡大を促すことからマイクロソフトの事業への追い風になると考えられる。その一方、企業業績の低迷によるネット広告需要の減退懸念はアルファベットやフェイスブックに逆風となる面もあるが、アルファベットは動画サイトのYouTubeの利用が増加傾向にあり、フェイスブックはビデオ会議サービス「メッセンジャールーム」を発表するなど、業績拡大に向けた動きを見せている。今後、米国の各州が経済活動再開に向けて徐々に動き出すと予想されるなか、米国を代表する銘柄が相対的に安心して買われやすい銘柄として債券市場から株式市場への資金流入の受け皿となることが期待されよう。
- 足元のWTI原油先物価格の急速な下落は、内需株を中心に原油安のメリットを受けやすい日本経済と比べると、米国経済においては石油エネルギー業界の雇用喪失などを通じてマイナス要因が相対的に大きくなる可能性がある。原油価格が底堅く推移するかは米国株の上昇にとって重要なポイントだろう。
S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(4/24現在)
■主な企業決算の予定
●4月28日(火): フォード・モーター、スターバックス、アルファベット、モンデリーズ・インターナショナル、メルク、3M、ファイザー、UPS、キャタピラー、ペプシコ、アカマイ・テクノロジーズ、S&Pグローバル、コーニング、ハーレーダビッドソン、MSCI、ロックウェル・オートメーション、DRホートン、ニューコア、サウスウエスト航空
●4月29日(水): マイクロソフト、フェイスブック、クアルコム、ゼネラル・エレクトリック(GE)、アメリカン・タワー、ゼネラル・ダイナミクス、ボーイング、マスターカード、サービスナウ、イーベイ、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、ユナイテッド・レンタルズ、アフラック、オートマチック・データ・プロセシング(ADP)、ヤム・ブランズ、CMEグループ、ヒューマナ、アンセム
●4月30日(木):ビザ、ギリアド・サイエンシズ、サザン、Dow.Inc、コムキャスト、クラフト・ハインツ、アップル、マクドナルド、コノコフィリップス、アルトリア・グループ、アマゾン・ドット・コム、レスメド、ウエスタンデジタル、MGMリゾーツ・インターナショナル、ケロッグ、インターコンチネンタル・エクスチェンジ、ムーディーズ、イルミナ、ツイッター、ニールセン・ホールディングス、タペストリー
●5月1日(金): アッヴィ、エクソンモービル、チャーター・コミュニケーションズ、シェブロン、ハネウェルインターナショナル、Cboe・グローバル・マーケッツ、クロロックス
●5月4日(月): スカイワークス・ソリューションズ、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)、タイソン・フーズ、PSEG
■主要イベントの予定
●4月28日(火)
・米FOMC(29日まで)
・米主要20都市住宅価格指 数 (2月)、消費者信頼感指数 (4月)
●4月29日(水)
・米 FOMC声明発表・議長記者会見、GDP (1Q)、中古住宅販売成約指数 (3月)
●4月30日(木)
・米新規失業保険申請件数 (4 月25日終了週)、個人所得 (3月)、個人支出 (3月)、米雇用コスト指数 (1Q)
●5月1日(金)
・米連邦政府による社会的距離指針が期限切れとなる。実際の経済活動再開時期の判断は各州知事に委ねられる。
・米自動車販売 (4 月)、ISM製造業景況指数 (4月)、建設支出 (3月)
●5月4日(月)
・米製造業受注 (3月)
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