米金利とドルの先高観 ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「米金利とドル相場の先高観が意識されている。ドル円は112円台へ到達。ユーロドルは1.16レベルを下方ブレイク。それぞれのチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
米金利とドルの先高観 ドル円とユーロドルのチャートポイント
・米金利とドルの先高観
29日の米債券市場では、金利の上昇が一服した。2年債、5年債、10年債の利回りは小幅に低下。しかし、FRBが金融政策の正常化に向けてアクセルを徐々に踏み込んでいる状況と、供給制約によりインフレが「一時的ではない」との懸念が高まっていることを考えるならば、米金利は上昇トレンドを描く可能性が高い。
現在の米ドル相場は、FRBの政策転換とそれに伴う米金利の先高感を意識している。事実、ドルインデックス(DXY)は昨日、大陽線が示現し高値94.43と、昨年9月以来の水準まで上昇した。
一方NY金は先物(12月限)は、7月以降1,835レベルで何度も上値が止められ、9月は下落トレンドを形成している。レーバーデー明け後から米株は不安定な状況にある。しかし、リスク回避の局面でもNY金が重要サポートポイントの1,680レベルを視野に下落トレンドにある状況は、米金利の先高観(とそれに伴う米ドルの先高観)が意識されていることを示唆する動きでといえる。
ドルインデクスとNY金先物のチャート
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円
ドル円(USDJPY)は昨日、111円台の重要レジスタンスポイント111.65レベルを一気に上方ブレイクした。この水準はフィボナッチ・プロジェクション50%の水準にあたり、テクニカル面でも重要なポイントだった。そのレジスタンスポイントを大陽線であっけなく突破し、一気に112円台へ上昇した状況を考えるならば、ドル円は新たな上昇トレンドへ入った可能性が高い。
この点についてさらなる確証を得るために、ドル円が反落する局面では、111.65レベルがレジスタンスからサポートへ転換するかどうか?この点をチェックしたい。
今日のドル円も米金利にらみの展開となるだろう。ストキャスティクス(スロー)やRSI(9日間)では、買われ過ぎのシグナルが点灯している。昨日に続き米金利の上昇が一服する場合は、調整の反落を警戒したい。このケースでは、上で述べた111.65レベルの攻防に注目したい。
111.65レベルを下方ブレイクする場合は、111円台の維持が焦点となろう。
一方、米金利の上昇トレンドが続く場合は、112円台への攻防シフトを予想する。同時に米株も上昇する場合は、フィボナッチ・プロジェクション61.8%の水準112.65レベルを視野に上昇幅の拡大を想定しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドル
ユーロドル(EURUSD)は、予想通り下落トレンドを形成している。昨日は大陽線の示現で重要サポートポイントの1.16レベルをあっさりと下方ブレイクした。
短期間で下落幅が拡大したこともあり、調整の反発を意識するタイミングにある。だが、米欧の金融政策スタンスの違いが鮮明となっている以上、ユーロドルの戻りは限定的と予想する。
まずは、1.1662レベルがサポートからレジスタンスへ転換するかどうか?反発の局面ではこの点を確認したい。このレベルがレジスタンスポイントへ転換する場合は、ユーロドルの地合いの弱さを市場参加者に印象付けよう。
1.1662の上方ブレイクに成功しても、レジスタンスラインとして意識されている10日EMA(今日現在1.1683レベル)で反落する可能性も意識したい。
一方、米金利の上昇が続くことで今日も下値トライとなる場合は、フィボナッチ・プロジェクションの161.8%の水準1.1510レベルを視野に下落幅の拡大を想定しておきたい。
ユーロドルのチャート
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