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米雇用統計後と主要通貨ペアの焦点について

サマリー:「今日の外為市場は9月米雇用統計後の動きが焦点に。米金利と米株の反応次第でドル円、ユーロドル、ポンドドルのトレンドが左右されよう。注目のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。

出所:ブルームバーグ 出所:ブルームバーグ

米雇用統計後と主要通貨ペアの焦点について

今日の外為市場は、今晩発表される9月米雇用統計後の動きが焦点となろう。各項目の市場予想は以下のとおり。

9月米雇用統計の予想

9月米雇用統計の予想

・強い米雇用統計とドル円の焦点

9月米雇用統計が総じて市場予想を上回る場合、米金利は上昇すると予想する。利回りの上昇は、外為市場での米ドル買い要因となろう。

一方、米国の株式は内容によって上昇と下落、両方の展開を想定しておきたい。市場予想を若干上回る程度ならば、FRBの政策転換リスクよりも雇用情勢の改善を素直に好感し、株高で反応すると予想する。

米金利と米株が同時に上昇する局面では、ドル円(USDJPY)の112円台上昇を意識したい。

111.78(10/6高値)およびフィボナッチ・プロジェクション38.2%の水準111.94レベルを突破し、112円台へしっかりと乗せてくる場合は、フィボナッチ・プロジェクション50.0%の水準112.29レベルをトライするか?この点に注目したい。

問題は、9月米雇用統計が強すぎる内容となる場合-例えば非農業部門雇用者数が直近3か月平均の75万人以上となり、かつ平均時給の伸びが加速する場合である。インフレが高止まりしているタイミングで強すぎる内容となれば、ゼロ金利の解除に対してFRBがさらに積極的になるとの思惑が米国の株式市場で意識される可能性があろう。このため9月米雇用統計が強すぎる内容となる場合は、米株の反落を警戒しておきたい。

強い内容で米金利が上昇する一方で米株が下落する場合、ドル円は利回りの上昇によってサポートされるも、株安が上昇圧力の阻害要因となり、111.80前後もしくは112.00手前で上値が重くなる展開を想定しておきたい。

・さえない雇用統計とドル円の焦点

一方、9月米雇用統計が市場予想を下回る場合は、米金利の低下を予想する。だが、FRBの政策転換とインフレ懸念が意識されている状況を考えるならば、単月の雇用指数が与える影響は限定的となる可能性がある。よって、ファーストリアクションが利回りの低下でも、その後に上昇する可能性があることを意識しておきたい。

ドル円(USDJPY)をはじめ、米ドル相場は利回りの動向に左右されると予想する。

問題は、9月米雇用統計が市場予想を大きく下回る場合である。このケースでは、一時的に米金利の低下幅が拡大することが予想される。米ドル相場は売り優勢の展開となろう。

米国の株式は、セクターによってトレンドがまちまちとなる展開ー例えば銀行株が下落する一方、決算を順調にクリアしてきたグロース株が上昇する展開となる可能性がある。

米株が上昇しても利回りが低下する場合、ドル円は利回り動向の影響を強く受け112円をトライすることなく反落する展開を想定しておきたい。実際にドル円が下値トライとなる場合、テクニカル面での焦点は10日EMA(今日現在111.22レベル)の維持となろう。111.20レベルは今月6日と7日に相場をサポートした経緯がある。

さえない内容で米金利と米株が大きく低下/下落する場合は、111.20レベルの下方ブレイクおよびサポートポイントへ転換しつつある110.80レベルのトライを想定しておきたい。

ドル円のチャート

ドル円のチャート

・ユーロドルとポンドドルのチャートポイント

・ユーロドル

今日のユーロドル(EURUSD)は、ドル円(USDJPY)と同じく9月米雇用統計後の米国市場の動きでトレンドが左右されよう。

ユーロドルの焦点は、連日このレポートで指摘してきたフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準1.1508レベルの攻防となるか?この点にある。今月6日の安値1.1527の下方ブレイクは、1.1508トライのシグナルと想定しておきたい。

一方、ユーロドルが反発する場合は、1.1570レベルの攻防が焦点となろう。この水準はフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準(4日高値ー6日安値)にあたり、昨日は見事にこのレベルで反発が止められた。5日EMAも今日現在1.1571レベルで推移している。

ユーロドルのチャート

ユーロドルのチャート

・ポンドドル

ポンドドル(GBPUSD)は、さらに反発するか1.34レベルを視野に再び反落するかの分岐点にある。

焦点は21日EMA(今日現在1.3644レベル)の攻防である。米雇用統計が発表された後に21日線を突破し、かつその水準以上を維持する場合、来週以降50日EMA(今日現在1.3719レベル)を視野に入れる可能性が出てくる。なお、1.3720前後はフィボナッチ・プロジェクション100.0%の水準にあたる。

一方、今晩の9月米雇用統計後にポンド売り/米ドル買いの展開となる場合は、フィボナッチ・リトレースメントの各水準の攻防に注目したい。今月4日の安値1.3530レベルは50.0%の水準にあたる。

ポンドドルのチャート

ポンドドルのチャート

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