上昇トレンドを維持する米金利 / ドル円とユーロドルのチャートポイント
サマリー:「米金利は上昇トレンドを維持している。この動きは米ドル相場のサポート要因として意識しておきたい。ドル円とユーロドルの注目ポイントは?上下のチャートポイントは?」詳細はマーケットレポートをご覧ください。
上昇トレンドを維持する米金利
米債市場では、2年債および5年債利回りの上昇幅が拡大している。
金融政策の方向性に敏感な2年債の利回りは昨日、昨年の3月下旬以来となる0.448%まで上昇する局面が見られた。
ドル円(USDJPY)との相関性が見られる5年債の利回りも、昨年2月下旬以来となる1.193%の水準まで上昇した。
市場が抱く1年先の期待インフレ率は3.53%台と、7月下旬の水準を突破してきた。5年のそれも2.82%台と、5月の水準を超えてきている。世界的にインフレの進行が意識される中、昨日は長期金利も1.62%台まで上昇する局面が見られた。
ここ数日、利回りの動きが米ドル相場に与える影響は日によってまちまちとなっている。だが、利回りの上昇は米ドル相場のサポート要因として常に意識しておきたい。
米金利の上昇トレンドが大きく崩れない限り、ドル円の下落幅は限定的、そしてユーロドル(EURUSD)の上昇幅も限定的と予想する。
米金利のチャート
期待インフレ率のチャート
ドル円とユーロドルのチャートポイント
・ドル円(USDJPY)
ドル円(USDJPY)の焦点は、114.50レベルのトライおよび突破で変わらず。
上で述べたとおり、米金利は上昇トレンドを維持している。FRBの政策転換が意識されている状況を考えるならば、2年債と5年債利回りの動きがドル円のトレンドを左右する展開を意識しておきたい。
米金利が上昇トレンドを維持する中、S&P500指数も50日EMAやフィボナッチ・リトレースメントの各水準をことごとく突破してきた。米国市場のリスク選好を考えるならば、114.50がレジスタンスとして意識されるよりも、この水準を突破する可能性が現時点では高い。
実際、ドル円が114.50の突破に成功する場合は、昨日のレポートで指摘した115.00レベルおよびフィボナッチ・プロジェクション161.8%の水準115.60レベルのトライおよび突破に注目したい。
一方、米金利の低下でドル円が反落する場合は、114.00の攻防が焦点となろう。昨日はこの水準で反落が止められた。下ヒゲが示現していることも考えるならば、114.00前後での押し目買い意欲の強さがうかがえる。
5日EMAは今日現在、すぐ下の113.94レベルまで上昇している。5日線を下方ブレイクする場合は、レジスタンスゾーンとして意識された113.70-80(中心は113.75)までの反落を想定しておきたい。
ドル円のチャート
・ユーロドル(EURUSD)
反発基調が続くユーロドル(EURUSD)だが、ここ数日のローソク足を確認すると上下にヒゲが示現しており、市場の気迷いが感じられる。21日EMA(今日現在1.1625レベル)の手前で反発が止められている状況を考えるならば、ユーロドルの地合いは弱い。
ユーロドルが反落する場合、まずは昨日の安値1.1570レベルのトライおよびブレイクに注目したい。
1.1570以下のサポートポイントは、1.1520台および1.1508レベルで変わらず。後者の水準は1.15台維持の攻防でもある。
一方、ユーロドルが反発基調を維持する場合は、21日線の突破が焦点となろう。これに成功する場合は、今月4日に相場の反発を止めた1.1640レベルが次の上値ターゲットとなろう。
1.1640レベルの突破にも成功する場合は、1.1660レベルがサポートポイントからレジスタンスポイントへ転換するかどうか?この点が焦点として浮上しよう。米欧の金融政策の方向性の違いが意識されている状況を考えるならば、現時点では1.1660レベルまでの反発が限界と予想する。
ユーロドルのチャート
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