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米FRB 景気重視の連続利下げ、ドル円反落もトランプトレード再燃で底堅さを維持か、今日の見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は7日の連邦公開市場委員会(FOMC)で予想どおり0.25%の利下げを決定した。利下げは2会合連続となる。外為市場は米ドル安の展開となった。しかし「トランプトレード」の再燃は利下げの効果を打ち消す要因になり得る。ドル円は底堅さを維持することが予想される。

Source: Adobe images Source: Adobe images

FOMCサマリー

・米FRBは7日のFOMCで、予想どおり0.25%の利下げを決定した。利下げは全会一致。FF金利の誘導目標を4.5-4.75%に引き下げた。

・FOMC声明では労働市場の状況についておおむね緩和していること、失業率は上昇しているが依然として低水準にあると評価した。

・一方、インフレについては2%の物価目標に向かって進展していると指摘。依然としてやや高い水準にあると評価した。9月の声明文にあった「further progress(さらに進展)」から ”further(さらに)” が削除された。

・11月の声明文から、インフレ率が持続的に2%の物価目標に向かっていることに「確信を深めた(The Committee has gained greater confidence)」の文言が削除された。

パウエルFRB議長は経済データ重視の姿勢を維持

・FOMC後の定例会見に臨んだパウエルFRB議長は、12月に向けて追加の雇用統計の内容とインフレのデータが入手でき、これら経済データ次第で利下げペースを決定していく「データ重視」の姿勢を改めて示した。また、景気が底堅さを維持しているため、時間をかけて政策金利を引き下げることができると述べた。明確な方向性を示さないことで、今後の政策決定の柔軟性を確保するよう努めていることがうかがえる。

・インフレ率については、想定よりも若干高いと述べたが、経済については全体的に良い感触を得ているとした。

・アメリカ大統領選挙の結果がFRBの政策決定に与える影響については、「短期的には影響がない」と述べた。また、トランプ氏から求められてもFRB議長を辞任しないとも述べた。

各市場の反応

・米債市場ではパウエルFRB議長の会見を受け利回りが低下した。10年債利回りは4.55%から4.33%まで低下する局面が見られた。

・外為市場では米ドルが全面安の展開に。米金利の低下に連動した動き。

・株式市場では、FRBの連続利下げが好感され大型ハイテク株に買いが入る展開に。ナスダック総合指数が3日続伸し、連日で最高値を更新。終値ベースで初めて1万9,000ポイント台へ乗せた。終値は1万9,269.46ポイント。S&P500も連日で最高値を更新。終値は5973.10ポイント。

FRB利下げでも目先は米ドル高維持か

2024年のアメリカ大統領選挙で共和党のトランプ氏が圧勝したことで、外為市場では米ドル高の圧力が高まりやすい状況となった。

パウエルFRBの利下げ姿勢は米ドル売り要因である。しかし2016年の相場を参考にするならば、年内は「トランプトレード」の再燃で、米利下げの効果が打ち消される展開を想定しておきたい。

そう考える理由は2つある。ひとつは、米金利の上昇にある。

11月のFOMCでは0.25%の利下げが確実視されていた。それでも米金利が上昇し続けてきたのはソフトランディング期待の高まりだけでなく、アメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利する可能性、そして上下両院の議会選挙で共和党が多数派となる可能性を意識した動きと言える。

ロイター通信によれば、下院の選挙でも共和が過半数に近づいているとの報道がある。「トリプルレッド」となれば、米ドル高の圧力がさらに高まることが予想される。

米金利のチャート:2024年6月以降

米金利のチャート:2024年6月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

もう一つの理由は、アメリカ経済の強さにある。

アメリカの労働市場は緩やかな減速の傾向にあると、筆者は考えている。しかし、10月の非ISM製造業景気指数でサービス業の活動が拡大していることが確認された。特に雇用指数は53.0と前月の48.1から大幅に改善し、10月の雇用統計で大きく減少した就業者数が一時的なかく乱要因の影響によるものだった可能性を示唆した。

アメリカ経済の土台である個人消費が底堅さを維持していることも考えるなら、少なくとも年内は「トランプトレード」と景気の底堅さを意識した米ドル高優勢の展開を想定しておきたい。


ドル円の見通しとチャート分析

下落局面では押し目買いを狙いたい

通貨オプション市場のリスクリバーサルの動きを見ると、ドルコールへ向かう動きがひとまず一服している。だが、ドルプットへ向かう動きも見られない。一方、予想変動率は1週間のそれが急激に低下している。下院選で共和党優勢の報道が見られることも考えるならば、今日のドル円(USD/JPY)は、底堅く推移する可能性があろう。

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:2024年7月以降

ドル円のリスクリバーサルと予想変動率:2024年7月以降

ブルームバーグのデータで筆者が作成

パウエルFRB議長の会見を受け、外為市場は米ドル安へ振れた。しかしアメリカ大統領選挙と議会選挙の結果、アメリカ経済の底堅さ、これらの情勢を反映した米金利の高止まりを考えるならば、年内は米ドル高優勢の展開を想定しておきたい。

ドル円の下落局面では、以下のサポートポイントで押し目買いを考えたい。

ドル円のサポートポイント
・152.59:フィボナッチ・リトレースメント61.8%
・152.09:フィボナッチ・リトレースメント76.4%
・151.66:21日線(日足ローソク足チャートを参照)

ドル円のチャート:15分足 11月6日以降

ドル円のチャート:15分足 11月6日以降

出所:TradingView

上昇局面では155.00の突破が焦点に

ロイター通信は下院選の情勢について、共和党がこれまでに209議席を獲得し過半数まであと9議席に迫っていると報じた。「トリプルレッド」となれば、FRBによる利下げの影響をこなしながら米ドル高優勢の展開が続くことが予想される。上の1時間足チャートにプロットした短期レジスタンスラインの突破に成功すれば、以下のレジスタンスポイントのトライを想定しておきたい。

ドル円のレジスタンスポイント
・155.00:レジスタンスポイント
・154.71:11月7日の高値
・154.00:レジスタンス転換の可能性あり(上の15分足チャート参照)

ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

ドル円のチャート:日足 2024年7月以降

出所:TradingView

本レポートでは15分足チャートを採用しているが、分足のチャートのMACDでトレンドを、RSIで短期的な相場の過熱感を常に確認したい。MACDがゼロラインを下回る水準でRSIがデッドクロスへ転じる場合は、上で述べたサポートポイントのトライを想定しておきたい。

一方、MACDとRSIがゴールデンクロスへ転じ、かつMACDがゼロラインを上回る場合、まずは154.00を突破できるかどうか?この点を確認したい。本日、ドル円が154円台へ上昇する場合は、155.00を再びトライする可能性が高まろう。


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