ドル円は三度の104円トライを意識する状況に / ドル円のチャートポイント / サポートポイント1.17を目指すムードが出てきたユーロドル

ドル円は三度の104円トライを意識する状況に

昨日の主要な欧米の株価指数は、新型コロナウイルスの感染が拡大していることを受け、続落の展開となった。また、米長期金利（以下では米金利）も低下したことで、ドル円は安値104.37まで下落する局面が見られた。

通貨オプション市場のリスクリバーサル（1週間）を確認すると低下基調が鮮明となっている。また、予想変動率（1週間）は上昇基調にある。これらの動向は、ドル円が下値をトライする時に示現するトレンドパターンである。

本日以降のドル円の焦点は、今年三度の104円トライとなろう。

ドル円の短期予測

ドル円のチャートポイント

目先、ドル円の下値の焦点は104.30台の攻防となろう。昨日は104.37レベルでサポートされた。今月21日に急落した時は、104.32レベルでサポートされた経緯がある。また、104.30にはビッドが観測されている。

本日の米国市場が『株高/金利反発』となれば、ドル円は104.30台を維持すると予想する。

上値の焦点は105円台への再上昇だが、これを達成してもバンドの上限が推移している105.30前後の突破に失敗する場合は、104円トライの可能性を常に意識しておきたい。

一方、米国市場が昨日のような『株安/金利低下』、もしくは『株高/金利低下』の展開となれば、104.30の下方ブレイクを予想する。この場合、次の焦点はバンドの下限が推移している104.10前後となろう。

このテクニカルポイントをも下抜ける展開となれば、104.00トライを意識したい。104.00にもビッドの観測あり。

なお、103円台の攻防となる場合、サポートポイントとして注目したいのが103.55レベルである。この水準はフィボナッチ・プロジェクション100％の水準にあたる。

ドル円のチャート

サポートポイント1.17を目指すムードが出てきたユーロドル

一方、ユーロドルは、今月26日のレポートの『コロナ第2波とユーロ相場』の項目で指摘したとおり、ユーロ安優勢の状況が続いている。

フランス、英国、スペインそしてイタリアといった欧州各国で新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることを考えるならば、ユーロ安が続く可能性が高まっている。

目先は、サポートポイントの1.17を視野に下落幅が拡大する展開を意識したい。

9月の安値1.1610レベルを起点とした短期サポートラインの下方ブレイクは、1.17をトライするシグナルと想定したい。このラインは今日現在、1.1738で推移している。

一方、上値の焦点は、10月16日から21日にかけてのユーロ高を止めた1.1880となろう。この水準は9月上旬のユーロ高を止めた経緯もある。

ユーロドルのチャート