レンジ相場を意識する状況が続くドル円 / 「ロックダウン第二弾」への懸念と円相場
今日のサマリー。今後1週間、ドル円はレンジ相場を意識する展開に。米国内のコロナ感染者数の増加がロックダウン第二弾への懸念に発展するかどうか?来週以降はこの点に注意。米株が不安定化すれば、円相場では豪ドル円の下落幅が拡大する可能性あり。詳細はマーケットレポートをご覧ください。
レンジ相場を意識する状況が続くドル円
昨日の外為市場に明確な方向感はなく、米ドル相場も円相場も売り買いが交錯する展開となった。
ドル円は107円台でこう着した状況が続いている。
市場の期待を反映するインプライドボラティリティ(1週間)を確認すると、一時4ポイント台まで低下する局面が見られた。
今後1週間も106.00-108.00のレンジで売り買いが交錯する展開が予想される。
107円後半以上では反落、107円割れでは反発を意識したい。
午前8時前時点のオーダー状況を確認すると、107.90および108.00にはオファーが観測されている。
一方、107.00、106.80にはビッドの観測あり。
ドル円の動向
政策相場 vs コロナショック
世界的な金融緩和の影響により、債券市場が市場としての機能を失いつつある中、ドル円をはじめとした円相場のトレンドは株式の動向次第、という状況になっている。
最も注視すべきは米国の株式市場だが、依然として金融緩和政策への期待が土台となった政策相場が続いている。
だが、2日のレポート「強気を維持する投資家の心理とボラティリティの高止まり / 108.20レベルがレジスタンスとして意識されるドル円 / 6月の米雇用統計に注目」でも指摘したとおり、ボラティリティは高止まりの傾向にある。
また、月次ベースの上昇率を確認すると、低下傾向にある。
4月の急騰は、政策相場に対する行き過ぎた反応と捉えることができる。
一方、5月の上昇率は、政策に対する過度な期待が後退したことを示している。
だが、政策への根強い期待と経済活動の再開により高い上昇率を維持した。
問題は6月である。
米国内で新型コロナウイルスの感染者数の増加が始まった第2週目以降、ダウ平均が1,800ドル超下落する等、株高を調整する動きが見られた。
その結果、機関投資家がベンチマークとするS&P500指数の上昇率は1.84%と抑制された。
端的に言えば、6月は「政策相場vsコロナショック」の戦いで、政策相場が勝利した月だったと言える。
米国株式のパフォーマンス
「ロックダウン第二弾」への懸念と円相場
米国内の感染者数が5万人を突破しても、米株が堅調地合いを維持している状況を考えるならば、感染者数の増加自体が株安要因となる可能性は低い。
では、コロナショックに関連した真の株安要因は何か?
それは、感染者数の増加が「ロックダウン第二弾」へつながるかどうか?
この点が真の株安要因となろう。
現状、少なくとも全米50州のうち17州が飲食店の営業規制等を再び課している。
来週以降、この状況が「ロックダウン第二弾」の懸念を高めることになれば、予期せぬ米株の下落、という事態が発生しよう。
米株が不安定化すれば、円相場でも円高の局面が見られよう。
その際、クロス円の下落、特に3月下旬以降、株高トレンドにいち早く反応した豪ドル円の下落幅の拡大を警戒したい。
一方、ドル円だが、株安の局面では米ドル高圧力がドル円をサポートするだろう。
上述したインプライドボラティリティの低空飛行状態も考えるならば、106円台へ下落する局面は見られても、106円前半でサポートされる展開を予想する。
米株と豪ドル円の動向
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