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【ドル円の週間展望】焦点は158円のトライ、反落局面で注目したい4つの水準

日米の利回り格差が縮小の傾向にあるなかでも、ドル円(USD/JPY)は反発トレンドを維持している。今週の経済指標が米金利の上昇要因となれば、ドル円は158円のトライが焦点として浮上しよう。一方、反落の局面では4つのサポート水準の攻防に注目したい。その水準とは?


サマリー

・根強い円安にサポートされ、ドル円は反発基調を維持している
・今週の米経済指標次第でドル円は、158円の攻防を意識したい
・ドル円の反落局面では、4つのチャート水準の攻防に注目したい


上値の水準を探る状況が続く

ドル円(USD/JPY)は157円台まで反発する局面が見られた。注目すべきは、日米の利回り格差が縮小の傾向にあるなかで、ドル円が反発のトレンドを維持していることである。

通常、日米の利回り格差の縮小は、「米ドル安・円高」の要因となる。5月以降、日米の利回り格差は縮小する局面が見られた(下のチャート、赤ゾーンを参照)。しかし、ドル円は再び157円台へ到達する局面が見られた。金利とドル円の強固な相関関係が崩れている状況は、今の円安圧力の強さを示唆している。

この状況のなか、米債市場では利回りが再び反発のムードにある。それに伴い日米の利回り格差も拡大しつつある(下のチャート、緑ゾーンを参照)。

上で述べた状況を総合的に考えるならば、今週のドル円の焦点は、新たな上値水準の見極めにあろう。

日米利回り格差とドル円のチャート:日足 23年11月以降

日米利回り格差とドル円のチャート:日足 23年11月以降 ブルームバーグのデータをもとに筆者が作成

焦点は158.00のトライそしてブレイク

予想通りにドル円(USD/JPY)が上昇トレンドを維持する場合、目先の焦点は157円台の維持となろう。

こちらのIG為替レポートで取り上げた今週の米経済指標が米ドル高の要因となり、ドル円がしっかりと157円台へ上昇する場合は、IG為替レポートで何度も取り上げてきた重要なレジスタンスの水準である「158.00」の攻防を想定したい。

フィボナッチ・リトレースメント76.4%の水準158.24レベルの上方ブレイクは、159.00レベルをトライするシグナルと想定しておきたい。

ドル円のチャート:4時間足 4月24日以降

ドル円のチャート:4時間足 4月24日以降 TradingView提供のチャートで作成

反落局面でのチャートポイントは?

一方、今週の経済指標が米ドル安の要因となる場合、ドル円(USD/JPY)は短期的に下値をトライする展開が予想される。

しかし、今の円安圧力の根強さを考えるならば下落幅は限定的となろう。目先の下限を155.00レベルを想定し、まずは155.00以上のサポート水準の攻防に注目したい。

そのサポート水準をフィボナッチ・エクステンションで探ると、4つのチャートポイントが浮上する。

そのうち下のチャート上に示した3つの緑矢印の水準はいずれも、サポートへ転換する可能性がある。特に156円の維持を見極める観点から、38.2%の水準の攻防に注目したい。ドル円がこの水準を維持する場合は、地合いの強さを市場参加者に印象付けると同時に、158円トライの展開も意識させよう。

一方、ドル円が155円台の攻防へシフトし、61.8%の水準(サポート水準)を下方ブレイクする場合は、目下の下限と想定している155.00レベルのトライを警戒したい。

分足や時間足のストキャスティクスとRSIを軸に相場の過熱感を確認し、これらオシレーター指標が買われ過ぎ、または売られ過ぎの水準でデッドクロス、ゴールデンクロスの状況へ転じている時に、ドル円が上で述べた上下のチャートポイントをトライする局面では反落、または反発を想定しておきたい。

ドル円のチャート:1時間足 5月14日以降

ドル円のチャート:1時間足 5月14日以降 TradingView提供のチャートで作成

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