円安優勢の状況下で重要局面に差し掛かるドル円
米株が崩れない限り、世界の主要な株価指数も堅調地合いを維持維持するでしょう。株高との相関性が高まっている円相場は円安優勢の展開を予想します。そしてドル円は重要な局面にあります。その局面とは?そして上値のチャートポイントは?マーケットレポートをご参照ください。
「株高トレンドの維持/米金利上昇の抑制」 → クロス円中心の円安
16日の米国株式市場では、主要3指数(S&P500、ダウ平均、ナスダック総合指数)が最高値を更新する展開となった。VIX(=S&P500のオプション取引価格を基準に算出されるボラティリティ指数)やVXN(=ナスダック100のオプション取引価格を基準に算出されるボラティリティ指数)はともに12%台と14%台の低水準で安定的に推移している。米中リスクと中東リスクが後退している状況や企業決算に対する期待も考えるならば、調整(反落)を挟みながら米株は現在のトレンドを維持するだろう。米株が崩れない限り、主要な世界の株価指数も堅調地合いを維持しよう。調整要因として目先注視すべきは、突発的な中東リスクの再燃と冴えない企業決算である。だが、現在のトレンドを考えるならば、上記の調整要因は絶好の押し目買いの機会と市場で捉えられよう。
外為市場では引き続き円安優勢の展開を予想する。2019年10月以降、「株高→円安」の相関性が復活する一方、米長期金利(以下米金利)は1.80%台を挟んで相変わらずの膠着状態にある。また、リスク回避要因も見当たらない。つまり現在の外為市場は、日本円が売られやすいと同時に米ドル高圧力が高まり難い局面にある。これらの動向に加え、欧州通貨およびオセアニア通貨が対米ドルで反発ムードにあることも考えるならば、クロス円中心の円安を予想する。
米株と米長期金利の動向
重要局面に差し掛かるドル円
現在、ドル円は重要な局面に差し掛かっている。具体的には、2015年6月以降から続くダウントレンドが終焉するか否か?という局面にある。2015年6月高値125.85レベルを起点とした長期レジスタンスラインが重要性の象徴であるが、このラインは今週110.20レベルで推移している。このレベルにはオファーが観測されている。この重要レジスタンスポイントの突破に成功する場合、4年半以上続いたダウントレンドの終焉シグナルの一つと市場関係者は捉えよう。インプライド・ボラティリティが低下し続けている現状を考えるならば、「レジスタンスラインの突破 → 一気に円安加速」という可能性は現時点で低い。だが、米株が崩れない限り、テクニカル的に示唆される次の上値ターゲットー112円トライが注目されよう。110.20の他、110.30から110.50にかけても断続的にオファーが観測されている。
本日のドル円は引き続き株式にらみ、特に米株にらみの展開となろう。その米株は指標データの内容でトレンドが左右されると予想する。特に注目されるのは住宅関連指標だが、昨年後半以降からの改善傾向が確認されるならば、個人消費の拡大が期待される。よって、米株は上値トライの展開を予想する。このケースでのドル円は、上述した長期レジスタンスを突破し、オファーが観測されている各水準を視野に上値トライの展開となろう。逆に冴えない指標データが確認されるケースでは、連日の最高値更新ということもあり、米株は反落すると予想する。このケースでのドル円は110円割れを視野に下落しよう。
ドル円のレジスタンスライン
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